研究課題
脊椎側弯症は脊椎が側方に湾曲する病気であり、思春期突発性脊椎側弯症は、思春期に突発的に発症する。したがって、外見の変化が明らかになるころには、脊椎の変形が相当に進んでおり、矯正術や外科的手術が必要となる。患者の精神的・身体的負担は計り知れないが、現時点では根本的治療薬や予測診断技術は開発をされていない。一方、アミノ酸シグナルの開始にはトランスポーターを介したアミノ酸の細胞内流入が欠かせない。これまでの研究により、軟骨細胞特異的アミノ酸トランスポーター欠損マウスが思春期以降に症状の出現するヒト思春期突発性脊椎側弯症の臨床症状と高い類似性を呈することを見い出してきた。さらに、軟骨細胞のアミノ酸トランスポーター下流でmechanistic target of rapamycin complex-1(mTORC1)シグナルとgeneral amino acid control経路が変動していることを明らかにした。そこで本年度は、軟骨細胞特異的mTORC1活性変動マウスを作製し、その表現型を解析した。その結果、軟骨細胞特異的にmTORC1を活性化した場合、重篤な脊椎側弯および胸郭変形を示すことを見い出した。一方、CRISPR-Cas9による遺伝子編集システムを用いて作製したアミノ酸トランスポーター変異ゼブラフィッシュの表現型を解析したところ、遺伝子改変マウスで認められた脊椎側弯や胸郭異常は観察されなかった。
すべて 2019
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Front. Pharmacol.
巻: 10 ページ: 00684
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Sci. Signal.
巻: 12 ページ: eaaw3921
10.1126/scisignal.aaw3921