有害事象は前臨床試験で予測不可能なものも多く、限られた症例の臨床試験でも見逃されるものがある。そのため第IV相試験と言われる市販後調査が行われているが、この患者データを解析することで得られる新しい仮説は、実証実験を経て分子メカニズムを明らかにする研究に発展できる。本研究は、このような構想を実現化するためドライの解析と動物や細胞を用いたウェットな解析の両面において実績を挙げてきた申請者が、これまでの経験に立脚して行った真に独創的な研究である。本手法は今後さらに増加することが確実なレセプトや電子カルテなどの医療記録を科学的に活用できる、新しい学問分野を樹立するほどの大きな意義がある研究と思われる。
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