研究課題/領域番号 |
17KT0075
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
本橋 令子 静岡大学, 農学部, 教授 (90332296)
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研究分担者 |
有江 力 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00211706)
新井 映子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (90134783)
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研究期間 (年度) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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キーワード | サトイモ / 遺伝資源保存 / 耐病性 / 介護用素材 |
研究実績の概要 |
サトイモ (Taro.Colocasia esculenta)は、熱帯から温帯にかけ広く、水田、畑地、山地などの栽培・生態環境に適し、特に環太平洋諸島などでは欠くことのできない作物である。本研究は、次世代に必要な農資源を継承していくために A.遺伝資源の保全、B. 耐病性基盤研究、C. 栄養学、調理学的研究など基盤にした利用法の研究を行うことを目的としている。 A. 多数のサトイモの遺伝資源保存を行うために、汎用性が高く、再生育率の高い方法を検討するために、品種を「丸土垂」以外に、「しょうが芋」「石川早生」「大和早生」「赤芽」の4種を用いた。3%ショ糖のMS培地で生育した植物体から単離した茎頂を、0℃、PVS2で2時間脱水処理し、液体窒素に浸漬した茎頂を急速昇温し、MS培地に置床し、4週間後に正常に成長している個体を生存として生存率を検証した。この急速昇温は、26~28℃の6月7月の室温条件の生存率が高いことがわかった。最終的に、3%ショ糖のMS培地で生育した植物体から単離した「赤芽」茎頂を、0℃、PVS2で2時間脱水処理する条件が現在最も再生育率が高く、90%を示した。 B. F. solaniおよびF. oxysporumの混合接種によって、それぞれの単独接種よりも乾腐病や萎凋病の発病が激しくなることを見出した。また、H30年度に鹿児島県の土壌から分離したTrichoderma spp.に生物防除効果は認められなかった。 C. サトイモの乾燥方法が粉末の特性に与える影響と、粉末を利用した製品の特性を検討した。「土垂」の子イモを使用し、凍結乾燥(FD)、50~80 ℃で熱風乾燥(BD50~80)および蒸し器内で蒸煮加熱後に50 ℃で熱風乾燥(SBD)して粉砕した結果、SBDが介護用素材として最も適する結果が得られた。
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