研究課題/領域番号 |
17KT0086
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
下原 勝憲 同志社大学, 理工学部, 教授 (10395105)
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研究分担者 |
高玉 圭樹 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20345367)
真栄城 哲也 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (30361356)
TANEV Ivan 同志社大学, 理工学部, 教授 (30388045)
塩津 ゆりか 愛知大学, 経済学部, 准教授 (60599182)
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研究期間 (年度) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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キーワード | 関係資産 / コミュニティ・デザイン / メディア・スポット / シミュレーション・モデル / マルチエージェント・システム |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,住民が日常生活を営むなかで自然に生み出すヒト・モノ・コトとの関わりを一人ひとりが獲得する関係資産として定量化・可視化し,関わりへの気づきを喚起するとともに,関係資産を住民自らが増やすべく関わりそのものに投資することを通じて関係資産を維持・運用する持続的な仕組みを構築することである. 2017年度の研究実績の概要は次の通りである;①ヒト・モノ・コトの関わりの関係資産としての定量化ならびに人々の行動分析シミュレーションに関しては,関わりの定量化とその資産性(投資と配当)の基本モデルを提案した.特に関わりの資産性の地域社会への影響を明らかにするため,マルチエージェント・システムを用いたシミュレーション・モデルを構築した.シミュレーションを通じて,資産性がヒト・モノ・コトの関わりの形成促進に効果があることを確認した.②地域住民が日常的にコミュニケーションを行う場であり,かつヒト・モノ・コトとの関わりを媒介する場所の概念としてメディア・スポットを提案し,フィールド実験で収集したデータのネットワーク分析を通じてメディア・スポットを推定する手法を検討した.住民へのヒアリング調査と照合し,推定手法の有効性を確認した. これらの成果を論文にまとめ,国際学会ならびに国内学会で報告し,講演論文集および学会論文誌に掲載された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題;「ヒト・モノ・コトの関わりの関係資産としての定量化と可視化」,「ヒト・モノ・コトの関わりに関する人々の行動分析シミュレーション」,および「ヒト・モノ・コトの関わりのネットワーク分析モデル化と分析」について,上記研究実績概要で述べたように,おおむね順調に進展している. 関係資産の可視化および地域住民へのフィードバックについては,遅れ気味であったが,電子会議システムを利用して2017年度後半より週1回の進捗報告とミーティングを行い,基本設計を完了し,2018年5月からのフィールド実験に向けてシステム開発を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は5月よりフィールド実験を行う予定である.そこでは,主にヒト・モノ・コトの関わりを地域住民にフィードバックするための可視化に重点を置き,関わりの定量化と可視化を通じて,関わりへの気づきを喚起し,その結果として住民の地域活動への自主的な参画への効果をネットワーク分析等を通じて検証する. フィールド実験と並行して,関係資産の資産性に関わるマルチエージェント・シミュレーション・モデルの精緻化を図り,次期フィールド実験での検証仮説を明らかにする.その結果を踏まえ,2018年度後半は関係資産の資産性ならびにトラスト形成への効果を検証するための次期実験システムの構築を進める. 研究の推進・管理については,2017年度と同様に,原則週1回の電子会議システムを利用したミーティングを行い,堅実な研究進捗を図る.
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次年度使用額が生じた理由 |
関係資産の可視化および地域住民へのフィードバックに向けたフィールド実験システムの基本設計に多少遅れが出たため,実験で使用する機器の購入およびシステム開発費の使用が次年度へずれ込む結果となった.なお上記実験機器の購入およびシステム開発費は2018年度1/4半期中には執行予定である.
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