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2019 年度 実績報告書

摩擦の回避から社会統合へ―「コミュニティ関係」モデルの変容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17KT0087
研究機関東京外国語大学

研究代表者

若松 邦弘  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90302835)

研究分担者 佐久間 孝正  東京通信大学, 人間福祉学部, 教授 (80004117)
工藤 正子  京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (80447458)
浜井 祐三子  北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (90313171)
研究期間 (年度) 2017-07-18 – 2020-03-31
キーワード多民族統合施策
研究実績の概要

本年度は3年計画の最終年度であり、【歴史展開】【地域社会】【公教育】【政治社会環境】に作業を分けて得られた過年度の成果を踏まえ、イスラム系を取り巻く「疎外」の具体的状況、そして「統合」に向けたコミュニティ関係モデルの課題を明らかにするという観点から、分析の総合化を進めた。
①コミュニティ関係に関する施策の誕生期である1960年代から70年代半ばの観点。摩擦の回避・調整を特徴とする。アフロカリビアン系に対する雇用と住宅供給での差別を念頭に構築された1965年以来の一連の人種関係法に基づいた実践について、1970年代の公文書記録を手がかりに、人種関係協議会による人種差別事例への調査と調停が抱える課題を明らかにした。
②社会サービスや教育への注目を伴う1980年代半ば以降に導入された観点。英語以外を母語とし、またキリスト教以外を信仰するイスラム系や他のアジア系の定着により、初期の観点に変化が生じた。移民支援組織での聞き取りを通して、とくに女性ムスリムのイスラーム嫌悪をめぐる経験や社会的ネットワークの構築、宗教的アイデンティティ形成の過程を明らかにした。
③ヨーロッパ系を含め排斥が注目された2000年代に入っての観点。労働力流入の急増に伴い、非都市部での社会サービスの逼迫や地域社会の変容に対する懸念が高まった。とくに2016年の国民投票の前後から、中東欧系、またユダヤ系を標的にした攻撃が顕著に注目されている。小政党への支持の動向や具体的エピソードの分析によって、イギリス社会の意識の変化を明らかにした。
イスラム系住民の意識と施策との関係を、行政のコミュニティ関係への対応にこのような異なる時期に発する重層的な性格があることを踏まえ、それらとの整合性に注目して整理した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 退去強制令をめぐるシティズンシップの交渉-1980年代英国における抗議運動からの試論2020

    • 著者名/発表者名
      工藤 正子
    • 雑誌名

      現代社会研究科論集(京都女子大学大学院現代社会研究科紀要)

      巻: 第14号 ページ: 15~28

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] イギリスにおける二党制の混乱-制度の慣性、環境の変化、選択の失敗2019

    • 著者名/発表者名
      若松 邦弘
    • 雑誌名

      改革者

      巻: 第60巻10号 ページ: 22~25

  • [雑誌論文] 強まるEU残留派の攻勢-「離脱撤回」求める声も2019

    • 著者名/発表者名
      若松 邦弘
    • 雑誌名

      e-World Premium

      巻: Vol.69 ページ: 16~21

  • [学会発表] 財政緊縮への反発とEU離脱への支持-イギリス政治の争点変化2019

    • 著者名/発表者名
      若松 邦弘
    • 学会等名
      日本比較政治学会

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公開日: 2021-01-27  

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