アルテミシニン(寄生虫薬、2015年ノーベル医学生理学賞)、パクリタキセル(抗がん剤として広く利用)に代表されるように、テルペン化合物は多くの医薬品資源を含む。酵素を用いて、有用テルペノイド化合物を合成するためには、その生合成の鍵反応であるテルペン環化反応への理解が必要不可欠である。本研究では、テルペン環化反応の理解と制御のために、その遷移状態の酵素制御様式の解明、新規テルペン環化酵素の取得を行った。この結果で得られた、酵素配列の詳細な比較、テルペン環化酵素の反応制御によって、酵素を用いた新規医薬品製造技術の開発が進むことが期待される。
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