研究課題
日和見感染症のトキソプラズマ症は細胞内寄生原虫であるトキソプラズマの感染により引き起こされ、全世界の約三分の一がこの原虫に感染している。トキソプラズマは宿主の免疫状態に応じて、急増虫体(タキゾイト)と緩増虫体(ブラディゾイト・シスト)にステージ変換することが知られている。ステージ変換は病原性や再発に綿密に関与しているが、その詳細な機序は未解明のまま残されている。その詳細を解明することは、トキソプラズマ症の制御に非常に重要である。この研究では、ステージ変換に関与するタンパク質に焦点をあてて解析している。前年度までにin vitro 実験ではインターフェロンガンマノックアウトマウスの胎児繊維芽細胞にトキソプラズマの深谷株を感染させ、培養液のPHを変化させることにより、ステージ変化を確認した。今年度に新たに解析したのは以下の通りである。1.タキゾイトとブラディゾイトで異なる色のルシフェラーゼを発するトキソプラズマとvero細胞を用いて、PHを変化させる等の様々な条件下でステージ変換しているかどうかをin vitroで実証した。2. RH株を用いてタキゾイトのみを培養、および深谷株を長期培養することによりシストのみを培養し、その夫々の培養上清中のタンパク質を質量分析計を用いて網羅的に解析し、 それぞれの発育ステージ特異的なタンパク質の同定を試みた。4. in vivo(マウス感染)でそれらの蛋白質が血清中にあるかどうかを検証するべくインターフェロンガンマノックアウトマウスを繁殖させ、タキゾイトが増殖している血清を収集した。5. 研究室で保管しているヒト血清を用いて、トキソプラズマ症の診断マーカーとして使用可能かどうか検証しつつある。
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