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2019 年度 実施状況報告書

肥満に伴う難治性喘息と好酸球体内動態及びその制御

研究課題

研究課題/領域番号 17KT0132
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

高木 智  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 免疫制御研究部長 (10242116)

研究期間 (年度) 2017-07-18 – 2021-03-31
キーワード脂肪組織 / 肥満 / 好酸球 / サイトカイン
研究実績の概要

カロリーを過剰摂取した際には脂肪細胞が肥大しNK細胞及び1型自然リンパ球(Group1-Innate Lymphoid Cell, G1-ILC)が活性化する。これらが産生するIFN-γによって炎症性M1マクロファージ誘導が増幅される。IFN-γは、さらに2型自然リンパ球(ILC2)活性化とIL-5産生を抑制することで好酸球が減少し、IL-4供給減少により脂肪炎症かが進行する可能性も考えられる。NK細胞及びG1-ILCの活性化はNK活性化受容体であるNCR1(NKp46)依存性であり、脂肪肥大に伴い脂肪細胞上にNCR1を活性化するリガンドが発現するが、その本態は依然不明である。不飽和脂肪酸を主体とする餌を摂取したマウス群では、飽和脂肪酸摂取群よりも内蔵脂肪組織内のNK細胞が増加しIFNγ産生細胞の割合が増加することを見出した。そこで、不飽和脂肪酸及び飽和脂肪酸負荷時の脂肪細胞のNK細胞活性化能を比較検討した。脂肪細胞から細胞膜成分を分離しプレート上にコーティングし、その上で脾臓より分離しIL-12やIL-1β添加でpre-activationしたNK細胞を培養し、IFNγ産生をフローサイトメトリーにより検討を進めている。不飽和脂肪酸の代謝過程で4-hyroxynonenal(4-HNE)が生成される。4-HNEはアルデヒド基と二重結合とを同一分子内に持ち、シッフ結合及びマイケル付加反応により蛋白質に結合し修飾あるいは重合を促進する。NK受容体が脂質を認識する場合も知られており、不飽和脂肪酸代謝物による脂肪細胞膜タンパク質の修飾とNK細胞活性化能の関係について、リノール酸代謝物による細胞表面タンパク質の修飾がNK細胞活性化に関与するかどうか検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでに知られていない脂肪組織内の恒常性維持機構、NK細胞の活性化分子機構と脂肪炎症の病態形成機構との関連解明を試みているが、データの有意差確認のため追加実験が必要である。リノール酸代謝物に よる細胞表面タンパク質の修飾がNK細胞活性化に関与するかどうか検討中である。

今後の研究の推進方策

脂肪内の好酸球減少機構を解明:不飽和脂肪酸を主体とする餌を摂取した場合、脂肪組織内のNK細胞活性化が飽和脂肪酸主体の餌よりも顕著であるという独自 の予備知見を利用し、NK細胞活性化及び増殖誘導因子の本態を探索する。NK受容体が脂質を認識する場合も知られており、不飽和脂肪酸代謝物による脂肪細胞膜タンパク質の修飾とNK細胞活性化能の関係について、リノール酸代謝物による細胞表面タンパク質の修飾がNK細胞活性化に関与するか検討を進める。活性化NK細胞等が産生するIFN-γがILC2活性化とIL-5産生を抑制することで脂肪組織内の好酸球が減少しさらに脂肪炎症が進行する可能性があり、IFN-γ受容体を欠損するIL-5レポーターマウスを用いこれを検証する。

次年度使用額が生じた理由

実験補助者の長期休職があり予定した実験が年度内に終了せず残余が出た。次年度へ繰り越して必要な追加実験を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The regulatory B cell?mediated peripheral tolerance maintained by mast cell IL-5 suppresses oxazolone-induced contact hypersensitivity2019

    • 著者名/発表者名
      Kim Hyuk Soon、Lee Min Bum、Lee Dajeong、Min Keun Young、Koo Jimo、Kim Hyun Woo、Park Young Hwan、Kim Su Jeong、Ikutani Masashi、Takaki Satoshi、Kim Young Mi、Choi Wahn Soo
    • 雑誌名

      Science Advances

      巻: 5 ページ: eaav8152.

    • DOI

      10.1126/sciadv.aav8152

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2021-01-27  

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