触覚が「触知性」の発達を促し、身体を用いた触コミュ ニケーションにつながる過程を明らかにすることを目的とした。寝かしつけ等の場面にて、乳児と養育者の能動的な触コミュニケーションが行われていることを確認した。また触経験を定量的に計測するため、なでる、タップする等の状況で身体の生理・脳機能状態を計測する環境を確立した。さらに、家庭内にて、皮膚に生じる圧力状態をリアルタイム計測することに成功した。これらの検討をふまえ、ヒトの初期発達において、「触る」・「探る」といった行為から拡がるオラリティの発達過程を議論した。
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