民主主義的な政治的社会的意思決定の仕組みのなかで、言論文化、オラリティが果たす役割は根本的なものだが、言論文化それ自体は民主主義的な政治環境の中でも、独裁的な政治環境の中でも高度に発達しうる。オラリティ文化の在り方を両極端な政治社会的体制の分岐的基層として位置付けて分析することによって、民主主義的な社会の中で、どのような言論文化、オラリティの在り方が望ましいものであるのか解明していくことができる。多様なテクノロジーによって政治的社会的意思決定における共在性が担保されつつある現代社会において、オラリティ文化が政治社会的意思決定に果たす役割と影響について学術的な展望を与えることができる。
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