話し言葉による対話において、即興的に情報処理、特に身振り・表情や対話相手、周辺環境との距離などの情報を利用したコミュニケーションを実現するようなオラリティの運用方式について、現実環境とバーチャルリアリティ環境におけるオラリティ運用の類似・相違を検討した。聴衆を前にしたスピーチ、空港の入国審査、人事面接、一次救命救急といった状況で検討した結果、バーチャルリアリティ環境でも現実環境と同様のオラリティ運用を期待することが示唆された。一方、バーチャリリアリティ環境では、我々の周囲に置かれた事物までの距離を過小評価する傾向があることがわかり、周辺環境の知覚の違いによるオラリティ運用の変化も示唆された。
|