肥満や虚弱に至る原因として、栄養摂取量と活動量の問題が挙げられるが、農園芸作業に従事することにより、ストレスを軽減し、食嗜好に変化が生じ、適度な 活動量の維持を促進する可能性が考えられる。本研究では、糖尿病患者を対象に、農園芸作業の効果について検討を行う。 介入に用いる農園芸作業について、京都大学大学院農学研究科附属農場中崎鉄也教授、鍋島朋之助教、滝澤理仁助教、間合絵里助教の協力を得て、大豆栽培と花卉園芸作業の詳細を設定した。 京都大学医の倫理委員会の審査を経て承認を受けた研究計画書に沿って、介入研究を実施した。 糖尿病患者をリクルートし、9名から参加の同意を得た。無作為に2群に割りつけ、2018年に介入する群と2019年に介入する群に分けた。2018年介入群は2018年7月31日から11月13日まで、京都大学大学院農学研究科附属農場における農園芸作業に従事した。農園芸作業では、附属農場の中崎教授に加えて、西村和沙助教、技術指導員の指導のもと、作業を行った。この間、2019年介入群は従来治療を継続し、両群で測定項目のデータ収集を行った。2019年度は、7月23日から11月12日まで、2019年介入群の参加者が、附属農場にて2018年度介入群と同内容の農園芸作業に従事した。附属農場の中崎教授、中野龍平准教授、西村助教、技術職員の指導を受けた。この間、2018年度介入群は従来治療を継続し、両群で測定項目のデータ収集を行った。両年度とも、作業で収穫した大豆を用いて、附属農場の調理実習室において、介入群の参加者とともに豆腐を作成した。不適合や有害事象なく終了した。 両年度とも、血液指標、体組成、活動量、食習慣、心理指標についてのデータが収集できた。
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