研究実績の概要 |
(1) 信頼の構造とその動的特性についての分析及びその日米比較 前年度までに、信頼の次元をPredictability, Depedability, Faith の 3 つによって定義した場合に,信頼の動的特性として初期の段階ではFaith が支配的であり,徐々にDependability, Predictability へと変わっていくのではないかとの仮説を立て,その検証を行った.Muir&Moray(1996)のレプリカとしてPasteurizerを用いて,日本・米国それぞれで実験を行った.その結果,FaithよりもDependabilityがより支配的であるということが,日米双方の結果として得られた.これを踏まえ、2019年度に自動車の自動運転という文脈で同様の実験を行ったところ、やはりDependabilityが支配的であるとの結果を得た。 また、Pasteurizerについて、論文投稿中の査読者より被験者の属性の幅を広げるべく示唆を受けたので追加で実験を行ったところ、工学系の素養を持つ被験者の場合やや傾向が異なるという結果を得た。
(2) 機械への信頼に対する組織への信頼の影響分析 (1)の結果を踏まえ、自動車の自動運転機能を搭載した車を想定して、自動運転車両への信頼感とそれを製造するメーカへの信頼感との関係を分析するための調査分析を行うこととした。信頼感の構造は当初想定していたよりも複雑であることが分かってきたことから、研究内容を詰めるために米国の研究協力者との打ち合わせを企図したが、事情により打ち合わせを延期せざるを得なくなったことから、調査・分析を次年度に持ち越すこととした。
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