研究課題/領域番号 |
17KT0154
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木實 新一 九州大学, 基幹教育院, 教授 (70234804)
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研究分担者 |
笹尾 知世 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任助教 (60789733)
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研究期間 (年度) |
2017-07-18 – 2023-03-31
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キーワード | 信頼ネットワーク / センシング / 地域情報 / アーバンコンピューティング |
研究実績の概要 |
本提案では、信頼性ネットワークに実世界コンテクストを表すノードを導入して柔軟なモデル化を行い、センサを用いてネットワークのノードとリンクを随時更新することにより、きめ細かく現地情報の信頼度を判定できる「生きた信頼ネットワーク」の確立につながる研究を行う。具体的には、まず信頼ネットワークのモデルを開発し、地域の複数の信頼ネットワークを抽出する手法を開発する。次に、人と空間の親密度、人と人の親密度に関わる特徴量を抽出し、信頼ネットワークのリンクを計算し更新する手法を開発する。さらに、信頼ネットワーク抽出演算を定義し、実世界コンテクストの情報の信頼性を計算する手法を検討する。また、実証実験を行い、信頼管理法のガイドラインを作成する。平成29年度は、信頼ネットワークのモデルの拡張や、ネットワークを抽出手法、モバイルセンシングシステムとの連携方法について検討を行った。平成30年度は、信頼ネットワークのモデルや抽出手法の改良を行うとともに、複数のネットワークを処理する手法の検討を行った。また、応用シナリオや機能の開発に取り組んだ。H31/R1年度は、信頼ネットワークのモデルや抽出手法の改良を継続し、ソーシャルメディアやセンサのデータ用いて各種特徴量を取得する手法の検討を行なった。R2年度は、ソーシャルメディアデータと位置情報、トピックモデリングによる推薦手法を開発し、CAQ(Community Question Answering)への応用を検討した。さらに、最終年度の実験に向けた環境整備を行った。R3年度は、ネットワークに基づく推薦機能、センシング機能、測位機能の改良を行い、大学生を対象とする実証実験を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R3年度は、近接ネットワークおよびソーシャルネットワークに基づく推薦機能、多様な推薦が可能なアルゴリズムの開発、WiFiおよびRFIDによるセンシング機能の開発、測位機能の改良等を行い、大学生を対象とする実証実験を行なった。しかしながら、新型コロナウィルスの影響によるやむを得ない理由により、実証実験の準備や実施に予想以上に時間を要した。補助事業期間の延長を申請し認められたため、当初計画していた内容の一部を2022年度に実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
R3年度に実施した開発や実験の結果をまとめ、実世界コンテクストに基づく生きた信頼ネットワークのガイドラインを検討する。近接ネットワークおよびソーシャルネットワークに基づく推薦機能に関しては、グラフニューラルネットワーク(GNN)等を用いて性能の改善を行う。また、本プロジェクトの研究成果をまとめた論文を執筆し、国際会議等で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
R3年度は、新型コロナウィルスの影響により、学会や打ち合わせがオンラインで実施されたため、旅費等の支出を抑えることができた。R4年度に繰り越す予算は、成果発表のための学会参加費・旅費や推薦機能の改良に必要な物品購入のために有効活用する。
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