研究課題/領域番号 |
17KT0156
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大西 丈二 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90432278)
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研究分担者 |
大田 祥子 特定非営利活動法人ヘルスサービスR&Dセンター, 研究・分析部門, 研究員 (00604696)
鈴木 裕介 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (90378167)
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研究期間 (年度) |
2017-07-18 – 2020-03-31
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キーワード | 地域連携 / 医療介護情報連携 / 信頼性 / 高齢者 / 総合評価 |
研究実績の概要 |
2018年度は、生命倫理審査会の承認を得た後、2017年度に作成した情報項目一覧およびマスタに従い、データ収集を開始した。プロブレムリストについては、ICD-10のほか、独自の病名リストを用いて、データ整理・分析に用いた。2018年度末時点において、288例のデータを収集し、、本研究は主に、医療機関の間でやりとりする情報の信頼性を分析するものであるが、データ収集開始後、同じ医療機関内でも、評価者個人の差ばかりでなく、評価の場面や職種(医師、リハビリテーション療法士、看護師ら)によって、大きく異なることが知られ、その要因分析を実施した。基本的ADLは複数回の評価が最も多くなされていた項目であるが、すべて介助(Barthel Index 0/100点)の場合は複数回評価されていても合致している場合が多いものの、それ以外では短期間の入院であっても、入院直後や急性期後の状態など、評価時期にもよって評価値が異なっており、評価時点をデータに付随させる必要性が知られた。心不全や感染症などの急性疾患患者においては基本的ADLなどの変動は大きかったが、認知症を主疾患とする場合、情報源が家族らによる場合が多いためか、評価値の変動はさほど大きくなかった。多職種カンファランスが行われた場合、評価値の差が小さくなることが期待されたが、多職種カンファランス実施の有無では、有意な差として示されなかった。体重やBMIには信頼が持たれていたが、腎機能(eGFR)や栄養評価に用いるアルブミンについては、急性期の入院では無視しがたい値の変動があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
生命倫理審査会の承認を得るのに時間を要した。本研究は主に、医療機関の間でやりとりする情報の信頼性を分析するものであるが、データ収集開始後、同じ医療機関内でも、評価者個人の差ばかりでなく、評価の場面や職種(医師、リハビリテーション療法士、看護師)によって、大きくことなり、その状況把握と要因分析を先行させる必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は2018年度から収集を始めたデータにつき、1年間分収集できた時点で統計解析を行い、分析する。研究場所の1つである名古屋大学医学部附属病院では2019年2月、国際基準の病院評価であるJCI認定を得た機会に、定型的な患者評価の手順を整え、収集データ量が増えてる。2019年度は、医療機関外の情報連携につき、調査を行い、最終年の成果を求める。
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次年度使用額が生じた理由 |
複数の医療機関の間でやりとりする情報の信頼性に関する研究進捗が遅れており、予定した賃金予算を執行することができなかったため。2019年度においては、前年度に残った予算を使用し、計画に従い、協力医療機関におけるデータ収集と、収集したデータのマネジメントを行う人件費にあて、研究の遅れを取り戻し、成果を得る。
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