研究課題/領域番号 |
17KT0157
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤田 卓仙 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (80627646)
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研究分担者 |
江間 有沙 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 特任講師 (30633680)
岸本 泰士郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60348745)
江口 洋子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 研究員 (70649524)
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研究期間 (年度) |
2017-07-18 – 2021-03-31
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キーワード | 医用人工知能 / トラスト / ELSI / プライバシー / AI / 診断補助 / 医療機器 / 信頼 |
研究実績の概要 |
本研究は、医用人工知能に関するELSI(倫理的法的社会的課題)の課題の検討を行うものである。特に1970年代の第二次人工知能ブーム以来の共通の議論として、医用人工知能のトラスト(信頼)に関連する課題がある。AEDも定義によれば医用人工知能と言えるが、結局の所、普及に向けては、医師の責任と人工知能の責任の分界、精度も含めた専門家からの信頼の他、患者からの信頼、導入に伴うリスク・ベネフィット等の観点が重要であると思われる。 医用人工知能の社会実装に向けて、米国FDAにおいて認可が進むのを追う形で、我が国のPMDAにおいても承認される医療機器が出てきたもののまだ数は少ない。また、厚生労働省通知によれば、現状における医用人工知能を用いた医療機器は、あくまで診療補助を行う機器であり、医行為に対する責任は医師にあるものとの整理がなされている。 本研究では、これまで、こうした過去・現在、国内外の状況に関する整理を行い、共同研究者とともに、医用人工知能の社会実装に向けたトラストのあり方に関する調査内容・対象等に関する検討を進めてきた。本年度は、医師によるAIに対するトラストに関するアンケート調査や、医師患者関係における信頼関係への人工知能の影響に関する検討を行い、医療AIに関するタイプ分類を作成するとともに、医師向けの医用人工知能に関するセミナーシリーズを開催し、政策提言の取りまとめを行った。 新型コロナウイルス感染症の影響で、取りまとめや成果報告、社会との対話に関して遅れた部分に関し、次年度に引き続き実施を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度のアンケート調査実施・取りまとめの遅れに関しては取り戻すことができ、順調な進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
政策提言の深堀りをするとともに、学会・論文発表や社会との対話等をさらに進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年3月米国で開催予定であったHIMSSへの参加ができなくなったことにより次年度使用額が発生した。引き続き、国際的な報告・意見交換の場を探るとともに、論文発表等他の方式での報告・意見交換の可能性に関して検討を行う。
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