研究課題/領域番号 |
18002002
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
グン 剣萍 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (20250417)
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研究分担者 |
角五 彰 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 助教 (10374224)
黒川 孝幸 北海道大学, 創成科学研究機構, 特任助教 (40451439)
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キーワード | 高分子ゲル / ソフト&ウェットマテリアル / 生体材料 / ES細胞 / 分化誘導 / 高強度 / 細胞外マトリックス / 人工軟骨 |
研究概要 |
本研究は、ソフトでウェットな高分子ゲル材料を開発し、生体材料に応用することを目的とする。平成21年度~22年度は、柔らかくて含水状態のゲルを細胞外マトリックス(足場)として応用し、マウス胚性幹細胞(ES細胞)からなる胚様体の自己増殖能維持・分化誘導を行った。その結果以下の成果を得られた。 中性のPDMAAmゲル上ではES胚様体がLIFを添加しなくても未分化性を維持し、高い自己増殖率を示した。それに対して、負電荷を有するPNaSS電解質ゲル上では、ES胚様体が効率よく分化する様子が観測された。さらに細胞培養3日目から25日目にかけて、電荷を持つゲル上において、細胞集団の脈動が観察され、一部の細胞が心筋細胞に分化していることが確認された。さらに、PCR法で遺伝子レベルにおける細胞の性質を調べた結果、負電荷ゲル上で分化した細胞が特に心筋細胞に関連する遺伝子が多く発見された。以上の結果によって化学的な誘導因子がない条件で、足場であるゲルの表面荷電状態を変えるだけでES胚様体の挙動を制御できることを解明した。 この現象のメカニズムを解明するために、ゲルが培養液中の蛋白質に対する吸着性を更に検討した。その結果、電解質ゲルが高い蛋白吸着性を示し、その中に様々な接着蛋白も含められているため、ES胚様体が強くゲルに吸着することが分かった。このようなゲルとES胚様体の強い相互作用がES細胞を刺激し、分化が誘導されたと考えられる。それに対して、中性ゲルは殆ど蛋白を吸着しないため、ゲルとES胚様体の相互作用が弱い。その結果、ES胚様体への刺激が少なく、未分化性を維持すると考えられる。
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