研究課題
本研究を推進した結果、1次元集光においてSub-10nmサイズの硬X線集光を達成した。平成21年度からは、最終年度の顕微鏡応用に向けて硬X線2次元集光システムの確立と顕微鏡システムの構築が目標となる。本年度は多層膜ミラーの高性能化、2次集光化に伴うビームプロファイル法の高度化を実施した。平成21年度では以下の成果を得た。1.作製した硬X線多層膜ミラーをSPring-8における反射率計測により精密に評価し、その知見をもとに成膜条件の最適化を行った。その結果、80%以上の十分な反射率を得ることが可能な成膜条件を見出した。2. 1枚の波面補正ミラーの作製し集光システムの改良も実施し2次元での入射波面補正を可能にした。3.2次元での波動光学シミュレーションを完成させ、2次元集光ビームの強度分布の方法を考案した。実験の結果、考案した方法は硬X線2次元集光ビーム計測と2次元集光アライメントに対して適応可能であることを確認した。4. 開発した硬X線集光システムに対して蛍光X線および散乱X線を検出するディテクターを搭載し顕微鏡システムを完成させ、蛍光X線シグナルを取得可能であることを実証した。5. KBミラーによる実現される集光ビームのコヒーレント回折顕微鏡への導入を行った。平成21年9月22日~9月24日にかけてX線ミラーに関する国際ワークショップを大阪大学で主催し、国内外約100名(海外50名以上)が参加した。本ワークショップにおいて広く本研究内容と成果を公表し、プロシーディングとしてX線ミラーの特集号をNuclear Instruments and Methods A誌で出版した。
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