研究概要 |
SPring-8 に代表される第3 世代放射光X 線源が実用に供され,高輝度X 線光源を利用したナノスケール分析への期待が急速に高まっている.波長1Å以下の硬X 線のナノビームが形成できれば,分子サイズの分解能での物質機能のイメージングや単一分子回折による構造解析などが可能となり,また,更なる高輝度化と単パルス化が実現できれば,化学反応の実時間計測や生きたままの細胞の観察も可能とされている. 本研究では,Sub-10nm サイズの硬X 線ナノ集光をめざし,これに求められる波面精度を実現する集光光学系を開発する.このために,ビームウエスト近傍のX 線干渉縞の強度情報をもとに,位相回復によってX 線の波面を評価する「At-wavelength 干渉計測」,その計測結果に基づく「波面補正」等,従来にない概念の導入によって,ミラー集光光学系の高機能化を達成する.これによって,電子顕微鏡に迫る分解能を有する「Sub-10nm 分解能硬X 線顕微鏡システム」を実現する.
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