研究課題/領域番号 |
18002010
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉立 徹 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80144806)
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研究分担者 |
志垣 賢太 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70354743)
本間 謙輔 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40304399)
三明 康郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (10157422)
浜垣 秀樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (90114610)
稲葉 基 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (80352566)
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キーワード | クォーク物質 / フォトン物理 / ALICE実験 / クオークグルーオンプラズマ / PHOS検出器 / LHC加速器 / 高エネルギー重イオン衝突 / 極初期宇宙 |
研究概要 |
欧州CERN研究所LHC加速器の高エネルギー原子核衝突ALICE実験を実施し、高分解能光子検出器PHOSの建設、及びそれを使ったフォトン物理を推進した。前年9月に生じたLHC加速器の障害復旧を待って初めての陽子+陽子衝突実験を実施し、最初の論文を公表した。H22年2月から18から24ヶ月の連続データ収集期間に突入した。 1. 前年度から製作中の完全気密筐体が3月末に完成し、4月よりPHOS第3モジュールを新たな筐体に組み込んだ。日本側が製作した気密フランジも取り付け、乾燥置換冷却及び地上テストを継続し、6月30日、ALICE実験装置に組み込んだ。日本側はデータ読出系改良及び宇宙線による検出素子利得較正を担当した。 2. 並行して製作してきた完全気密筐体2台が8月に完成し、第1及び第2モジュールの組み替えを急ピッチで実施した。8月13-14日に2基をALICE実験装置に組み込んだ。18日の実験区域閉鎖後、乾燥置換冷却を進めながら、LED信号及び宇宙線読み出し試験を継続し、LHC加速器の再起動を待機した。 3. LHC加速器リングへのビーム入射が始まり、10月からビーム止めに衝突した入射ビームが生成した2次ビーム事象をPHOS検出器により検出した。24時間体制で各検出器の運用を開始した。 4. 11月23日、LHC加速器による初めての陽子+陽子衝突事象を観測した。直ちに物理解析を進め、荷電粒子多重生成に関する学術論文として真っ先に公表した。PHOS検出器による中性パイ中間子生成の物理解析も鳥井久行(広島大)を中心に公表論文の準備を進めた。 5. 本格的なデータ収集を間近に控え、アジア地域のALICE実験データ解析機能の強化拡充を図るため、日本、中国、韓国及び欧州の研究者を中心に集めたデータ解析研究会を1月21-23日、広島大学にて開催し議論を深めた。
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