研究概要 |
本年度は、水素結合形成に基づく金属-酸素活性種の反応制御を基本手法として、酸素および過酸化水素を用いる不斉酸化、カルベン移動反応を用いるσ結合の直接的官能基化、パラジウム触媒を用いた水から水素発生機構に関する研究を行い、以下の成果を中心として予期した成果を得ることができた。 1. 第2周期遷移金属の特性を利用した過酸化水素水を用いるアリルアルコールの不斉エポキシ化(J.Am.Chem.Soc.に報告) 2. チタンサラン錯体のコンホメーション制御制御を目的とした新規配位子の構築と過酸化水素水を用いるスチレン類の不斉エポキシ化(Angew.Chem.,Int.Int.Ed.に報告,Hot Paper) 3. 鉄触媒と酸素を用いる2-ナフトールの酸化的不斉カップリング(J.Am.Chem.Soc.に報告) 4. イリジウム錯体を用いるカルベノイドの不斉C-H挿入反応(J.Am.Chem.Soc.に報告) 5. 不斉Si-H挿入反応を利用した不斉ケイ素原子の構築(J.Am.Chem.Soc.に報告) 6. 塩基性条件下アルミニウム-サラレン錯体を用いる不斉ヒドロホスホニル化反応(Angew.Chem.,Int.Ed.に報告, Very Important Paper) 7. 白金錯体触媒を用いる水から水素発生の機構の解明(J.Am.Chem.Soc.に報告) 当該年度は、本研究の最終年度でありこれまでに得られている成果は、今後纏めて順次報告する予定である。
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