研究課題/領域番号 |
18002012
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山元 大輔 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (50318812)
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研究分担者 |
小金澤 雅之 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (10302085)
木村 賢一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80214873)
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キーワード | フェロモン受容体 / ChIP-on-chip / クロマチン / Caイメージング / 性転換 / 性モザイク / 求愛行動 / 雄特異的ニューロン |
研究概要 |
1.脳と行動の雄化に関わるfru遺伝子ネットワークの解明 Fruitless(Fru)タンパク質の結合を受けて転写の制御を受ける標的遺伝子を同定する目的で、ChIP-on-chip解析に向けた実験を行った。ショウジョウバエの株化培養細胞のS2に抗体タグを付したミニジーンをトランスフェクションし、そのクロマチン沈降物をtiling array解析にかけた。条件を最適化すれば、Fruの特異的結合部位を検出可能であるとの結果を得ることが出来た。 Fruと相互作用する因子としてTrf2の機能解析を進める一方で、新たなfru抑制因子を分離することに成功した。 2.雄の性指向性を支配するニューロン群の同定性的二型を示すfru発現介在ニューロン(mAL)に対してフェロモン応答性の感覚ニューロンが神経接続を形成している可能性を検討した。ショウジョウバエでは体表の炭化水素が重要な性フェロモンとなっていることが知られているので、その受容器ニューロンを実験対象とした。フェロモンを受け止める接触化学感覚(味覚)受容体遺伝子候補の一つとしてGr32aに着目し、その中枢投射を組織化学的に染色するとともに、Gr32a発現ニューロンの機能阻害が性行動に与える効果を調べ、さらに電気生理学やCa^<2+>蛍光測定によってGr32a発現ニューロンの活動を記録した。 雄型の性行動を引き起こす脳内中枢を特定するための実験をさらに押し進めた。MARCM法によって雌の脳内に少数の雄化したニューロンを作り出し、その個体の行動が雄型か雌型かを決定した後、脳を取り出して雄化の起こっていたニューロンを同定した。観察個体数を205個体にまで増やし、P1(14Sb)介在ニューロンが雄の性行動を開始させる中枢であることを確証するに至った。
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