ショウジョウバエfru遺伝子による脳神経系と行動の性決定機構に関する研究

2008 年度 自己評価報告書

• 研究課題/領域番号: 18002012
• 研究種目: 特別推進研究
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 生物系
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 山元 大輔 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (50318812)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2010
• キーワード: 性行動 / 性分化 / 性転換 / ニューロン発生 / Drosophila

研究概要

雄が同性愛行動をとる突然変異体、satoriの変異原因遺伝子fruを解析し、fruを発現する介在ニューロンの一つ、mALが顕著な形態上の性的二型を示すことを発見した。fru機能を失った変異体雄ではmALが完全に雌化していることから、fru遺伝子が脳と行動の性差形成を支配する主因と推察された。
上記の研究からfru発現ニューロンの性差が性特異的行動を生み出す可能性の検証、ニューロンの性差形成機構の解明が焦眉の課題として浮上した。そこで、fru発現ニューロンをすべて同定してクラスターごとに操作を加え、性行動に果たすその機能を決定する。また、Fruの共同因子、標的遺伝子の同定を通じて、性差形成の分子機構を解明する。

研究成果

• [雑誌論文] The shaping of Drosophila male courtship posture by a gustatory pheromone. (2009)
  • 著者名/発表者名: Koganezawa, M., Mastuo, T., Kimura, K-I., and Yamamoto, D.
  • 雑誌名: Ann. N.Y. Acad. Sci. in press
  • 査読あり
• [雑誌論文] Changes in temperature preferences and energy homeostasis in Dystronglycan mutants. (2009)
  • 著者名/発表者名: Takeuchi, K., Nakano, Y., Kato, U., Kaneda, M., Awano, W., Yonemura, S., Kiyonaka, S., Mori, Y., Yamamoto, D. and Umeda, M.
  • 雑誌名: Science 323 ページ: 1740-1743
  • 査読あり
• [雑誌論文] Fruitless and Doublesex coordinate to generate maleNeuronspecific neurons that can initiate courtship. (2008)
  • 著者名/発表者名: Kimura, K-I., Hachiya, T., Koganezawa, M.,Tazawa, T. and Yamamoto, D.
  • 雑誌名: Neuron 59 ページ: 759-769
  • 査読あり
• [雑誌論文] Brain sex difference and function of the fruitless gene in Drosophila. (2008)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto, D
  • 雑誌名: J. Neurogenet. DOI 10.1080/0167706082298491
  • 査読あり
• [雑誌論文] The neural and genetic substrates of sexual behavior in Drosophila. (2007)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto, D
  • 雑誌名: Adv. Genet. 59 ページ: 39-66
  • 査読あり