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2006 年度 実績報告書

ヒト動原体蛋白質Mis12複合体の異常とがん化

研究課題

研究課題/領域番号 18012024
研究機関北海道大学

研究代表者

小布施 力史  北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 教授 (00273855)

キーワードがん / 染色体 / 動原体 / セントロメア / ヘテルクロマチン / 染色体安定性
研究概要

申請者は、最近ヒトの動原体タンパク質Mis12複合体を精製し、構成因子の同定に成功した。その中には低分化度の腫瘍で高発現していることが知られているHEC1/KNTC2およびD40/AF15q14/KIAA1570が含まれていた。これを踏まえて本課題では、ヒトMis12複合体の構成因子の機能発現異常とがん細胞の形質の変化との共役についてアプローチすることを目的とした。
本年度は、特にMis12複合体とヘテロクロマチン蛋白質であるHP1との相互作用について解析を行った。HP1との結合にはMis12コア複合体の構成因子であるDC8が直接的に寄与していること、また、その責任アミノ酸を同定した。この情報に基づき、HP1と結合できない変異Mis12複合体を内在性のものと置き替えて細胞内で発現すると、M期に染色体が赤道面に並ばないという、典型的な染色体の分配異常の表現型を示した。また、この細胞では動原体が完全に構築できていないことが明らかとなった。これまで、HP1はRad21などと相互作用してセントロメア領域の染色体合着に寄与することが知られていたが、本研究により、HP1が動原体装置そのものと協調的に働き、染色体分配に寄与することが明らかとなった。ヘテロクロマチンは様々な染色体上の機能装置の構築に寄与し、遺伝情報の安定維持に寄与していることが示唆されていたが、その具体的なリンクは不明であった。本年度の課題で、その重要なパスウェイの具体的なリンクのひとつを初めて示すことができたと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Priming of Centromere for CENP-A Recruitment by Human hMis18α, β and M18BP.2007

    • 著者名/発表者名
      Fujita, Y.
    • 雑誌名

      Dev.Cell 12

      ページ: 17-30

  • [雑誌論文] Comprehensive analysis of the ICEN (Interphase Centromere Complex) components enriched in the CENP-A chromatin of human cells.2006

    • 著者名/発表者名
      Izuta, H.
    • 雑誌名

      Genes Cells 11

      ページ: 673-684

  • [雑誌論文] Two E3 ubiqutin ligase, SCF-Skp2 and DDB1-Cu14, target human Cdt1 for proteolysis.2006

    • 著者名/発表者名
      Nishitani, H.
    • 雑誌名

      EMBO Journal 25

      ページ: 1126-1136

  • [雑誌論文] 染色体分配のための分子ネットワークのプロテオミクス解析2006

    • 著者名/発表者名
      小布施力史
    • 雑誌名

      共立出版株式会社・蛋白質・核酸・酵素 51

      ページ: 2020-2023

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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