• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

損傷乗り越え合成の制御と癌化への影響

研究課題

研究課題/領域番号 18012039
研究機関熊本大学

研究代表者

渡邉 健司  熊本大学, 発生医学研究センター, 助手 (80404333)

研究分担者 立石 智  熊本大学, 発生医学研究センター, 講師 (00227109)
キーワード複製後修復 / RAD18 / polη / PCNA / ユビキチン化
研究概要

1.Rad18ノックアウトマウスの発癌に関する研究。Rad18欠損マウスは老化に伴い、精巣を構成する生殖細胞が欠落することが判明した。RAD18遺伝子の欠損により、染色体の微小な欠失・転座がおこり、そのため主に幹細胞が特異的に除去されている可能性を検証するため、SKY-FISHおよびaCGHを行っている。マウスの皮膚に4カ月にわたり紫外線照射を行い、皮膚癌の発生の有無を検討したが、色素性乾皮症モデルマウスでみられるような典型的な皮膚癌の形成はみられず、さらに検討を重ねている。Rad18欠損による遺伝子の不安定性に注目し、p53遺伝子ヘテロマウスとかけ合わせたマウスの発癌をみてゆく。Rad18欠損マウスに6Gyの放射線を照射すると、1年以内に約半数が致死に至ることがわかった。これは発癌によるものではなく、Rad18がクラススイッチ等に関与しており、免疫能の低下が原因である可能性が高い。
2.Rad18タンパクによるDNA損傷の認識および損傷乗り越え複製酵素ηの誘導機構の解明。損傷を乗り越えて複製する能力をもつ複製酵素であるηは、複製の正確度が低いため、厳密に制御されている。我々は、RAD18タンパクがチミンダイマーを含む2本鎖DNAおよびフォーク型DNAに、特異的に結合することを見つけた。Rad18タンパクのSAPドメインが、これらのDNA構造の認識に関与している。RAD18欠失細胞に、SAPドメイン欠失RAD18タンパクを発現させても、DNA損傷に応答しておこるRAD18およびηの核内局在変化がみられず、UV感受性を回復させる能力も失っていた。このため、RAD18は損傷部位のセンサーとして、損傷部位および複製停止部位に結合し、損傷乗り越え複製酵素ηの細胞内局在を制御していると結論した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006 2002

すべて 雑誌論文 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Human RAD18 is involved in S phase-specific single-strand break repair without PCNA monoubiquitination.2007

    • 著者名/発表者名
      Shiomi, N., Mori, M., Tsuji, H., Imai, T., Inoue, H., Tateishi, S., Yamaizumi, M., Shiomi, T.
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Rsearch Vol. 35, No 2

      ページ: e9

  • [雑誌論文] Rad18 regulates DNA polymerase kappa and is required for recovery from S-phase checkpoint-mediated arrest.2006

    • 著者名/発表者名
      Bi, X, Barkley, L.R., Slater, D.M., Tateishi, S., Yamaizumi, M., Ohmori, H., Vaziri, C.
    • 雑誌名

      Mol Cell Biol. Vol.26

      ページ: 3527-3540

  • [雑誌論文] Effect of DNA repair protein Rad18 on viral infection.2006

    • 著者名/発表者名
      Lloyd, A.G., Tateishi S., Bieniasz, P.D., Muesing, M.A., Yamaizumi, M., Mulder, L.C.F.
    • 雑誌名

      PLoS Pathogens. May;2(5)

      ページ: e40

  • [産業財産権] 遺伝子欠損細胞2002

    • 発明者名
      立石
    • 権利者名
      JST
    • 公開番号
      特開2003-304872
    • 出願年月日
      2002-04-17

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi