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2006 年度 実績報告書

転写因子AP-1とNF-kBによる発がん制御

研究課題

研究課題/領域番号 18012042
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

高田 康成  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40407086)

研究分担者 池田 栄二  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30232177)
キーワードAP-l / NF-κB / AOM / DSS / colitis / inflammation / TNF / lysozme M-Cre / Fos conditional KO
研究概要

我々はこれまでに転写因子AP-1のサブユニットの一つであるc-Fosを欠損した(FosKO)マウスを解析し、骨髄由来マクロファージにおいて、定常的にNF-κBが活性化されていること、血中の炎症性サイトカイン量が高いこと、さらにLPS刺激によってその産生が野生型マウスと比べて亢進することを明らかにし、AP-1とNF-κBの関連性を見いだした。そこで"AP-1とNF-κBが拮抗関係にあり、その破綻ががん化のメカニズムに寄与している"との仮説を立て、AP-1遺伝子を変異させたマウスを用いて大腸がんの素地となる大腸炎、および大腸がん発がんの実験を行なった。
大腸炎誘発実験としてFosKOマウスと野生型マウスに、2%sodium dodecyl sulfate(DSS)を含む飲料水を一週間摂取させた。実験開始後4日目より体重の減少、腸管の収縮、出血および下痢がFosKOマウスにおいて有意に亢進し、6,7日後にはFosKOマウスのみが死亡した。Dss摂取後の摘出した大腸からの炎症性サイトカインrNF-αの産生量はFosKOマウスでは野生型マウスに比べ高く、さらに、細胞核内におけるNF-κBのDNA結合活性は野生型マウスに比べFosKOマウスで増強していた。これらの結果より、FosKOマウスではDSS摂取によって大腸における炎症反応が野生型マウスより亢進しており、その原因としてNF-κBの活性化が考えられた。
また、マクロファージ特異的なFos欠損が、DSS誘導性大腸炎およびAOMIDSS誘導性大腸がん発がんに寄与するかどうかの解析を行なうため、単球系前駆細胞のみのFosを欠損させたconditional FosKOマウスの準備を協同研究者と共に行なった。129とc57BL/6の遺伝子背景を持つLysozyme M-CreマウスとFos^<flox/flox>マウスを交配し、対照群(LysozymeM -Cre, Fos^<flox/+>)、conditional FosKO群(Lysozyme M-Cre, Fos^<flox/flox>の作成を現在行なっている。
今度これらのconditional FosKO群と対照群を用い35%DSSを用いた大腸炎誘発実験、およびAOM(10mg/kg)を腹腔に単独投与た後に3.5%DSSを含む飲料水にて飼育し、大腸がん発がん実験を行なう予定である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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