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2007 年度 実績報告書

プレB細胞受容体シグナル伝達異常による白血病の多段階発がん機構

研究課題

研究課題/領域番号 18012043
研究機関東京理科大学

研究代表者

北村 大介  東京理科大学, 薬学部, 教授 (70204914)

キーワード癌 / シグナル伝達 / 遺伝子 / 白血病 / 癌抑制遺伝子 / 急性リンパ性白血病 / プレB細胞レセプター
研究概要

B前駆細胞性急性リンパ性白血病(pre-B ALL)は小児の悪性新生物の中で発症率が最も高く、その成因の解明が急務である。BASHはB細胞初期分化に必要なpreBCRシグナル伝達因子であるが、BASH欠損マウスの約5%にpreBCR陽性のpre-B ALLが発症する。小児pre-B ALLの白血病細胞のBASH発現消失例も報告されている。本研究の目的は、BASHのプレB細胞の癌抑制因子としての作用機序、および癌化に必要なBASH欠損と共役する遺伝子異常を解明することにある。BASH欠損マウスおよびこのマウス由来のプレB白血病細胞(BKO細胞)を用いて以下のことがわかった。1)昨年度の研究から、BASHがSTAT5の上流のJak3の活性化を抑制することが明らかになった。他の受容体シグナル系でJakキナーゼの脱リン酸化を起こすチロシンフォスファターゼとしてCD45およびSHP1が報告されているので、これらがBASHにリクルートされてJak3を不活性化している可能性を考えた。しかし、siRNAによりこれらの発現を低下させたBKO細胞においてもBASHによるJakの不活性化および細胞増殖抑制は変わらなかった。免疫沈降実験よりBASHがJak3と結合することから、BASHによる直接的なJak3の活性化阻害が考えられた。2)BASH-/-マウスに活性型STAT5トランスジーンを導入すると高頻度でpre-B ALLを発症する。この白血病細胞にBASHを導入すると、細胞周期のG1停止は起こらずアポトーシスが起こった。よって、BASHが抑制するJak3の機能にはSTAT5を介した細胞周期の推進に加えて、抗アポトーシス作用があることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Tyrosine kinases Btk and Tec regulate osteoclast differentiation by linking RANK and ITAM signals.2008

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Shinohara
    • 雑誌名

      Cell 132

      ページ: 794-806

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Hematopoietic lineage cell specific protein 1 (HS1) is a functionally important signaling molecule in platelet activation.2007

    • 著者名/発表者名
      Bryan N. Kahner
    • 雑誌名

      Blood 110

      ページ: 2449-2456

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stage-specific expression of DNase gamma during B-cell development and its role in B-cell receptor-mediated apoptosis in WEHI-231 cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Shiokawa
    • 雑誌名

      Cell Death Differ. 14

      ページ: 992-1000

    • 査読あり
  • [図書] How the Immune System Recognizes Self and Nonself: Immunoreceptors and Their Signaling2007

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Kitamura
    • 総ページ数
      251
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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