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2007 年度 実績報告書

染色体動態の制御起点である動原体の微小管感知系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18012049
研究機関(財)癌研究会

研究代表者

広田 亨  財団法人癌研究会, 癌研究所・実験病理部, 部長 (50421368)

キーワード細胞分裂 / 染色体分配 / 動原体 / 紡錘体チェックポイント / 微小管
研究概要

動原体は、細胞分裂期に染色体に形成される構造物で、正確な染色体分配監視機構の、いわば最終検問である「紡錘体形成チェックポイント」の起点として中心的な役割を担っている。本研究では、がん細胞の特徴の一つである「染色体不安定性」の病態を明らかにするために、生細胞の顕微鏡的解析によって本チェックポイントの定量化を目的とし、がん細胞におけるチェックポイントの脆弱性と染色体不安定性との関連性を検討することに繋げることを目標としている。動原体が紡錘体により牽引されたことをどのようにして感知するのか、古くよりそのセンサーの存在が目されているものの、その本体は全く分かっていない。われわれは、この命題にアプローチすべく、動原体にかかる力によって動原体の形の変化をモニターすることから開始した。即ち、動原体の内側よりに存在するCENP-Aとそれより外側に局在するMis12を、それぞれ緑色、赤色蛍光で標識した、"張力センサー細胞"なる細胞を作成した。この細胞を観察した結果、動原体中のCENP-AとMis12の蛍光は極めてダイナミックに別れたり重なったりすることが観察され、動原体は弾力性を有する構造体であり、中期の間、伸張をくりかえしていることが判明した.われわれは、染色体構築因子コンデンシンIのノックダウン細胞では、後期開始が遅延することを報告したが(Hirota, et. Al.,2004)、この細胞を調べると、動原体の伸張頻度が著しく低下していることが分かった。コンデンシンIのノックダウンによるセントロメアの脆弱化が、動原体にかかる張力の発生を妨げてために、紡錘体チェックポイントが稼働していると考えられた。これらの観察結果は、張力を検出するセンサーは動原体の中に存在していることを示唆しており、現在、チェックポイント機能との関連性を調べている(Uchida et a1.,未発表)。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The complete removal of cohesin from chromosome arms depends on separase.2007

    • 著者名/発表者名
      Nakajima, M., Kumada, K., Hatakeyama, K., Noda, T., Peters, JM., Hirota, T.
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science 120

      ページ: 4188-4196

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 染色体の構築とその動態を制御する分裂期キナーゼAurora B2007

    • 著者名/発表者名
      広田 亨
    • 雑誌名

      実験医学 25

      ページ: 704-711

  • [雑誌論文] Auroraキナーゼによる分裂期微小管の制御2007

    • 著者名/発表者名
      大石智一、清宮啓之、広田 亨
    • 雑誌名

      細胞 39

      ページ: 482-486

  • [学会発表] How Aurora B controls chromosome segregation2007

    • 著者名/発表者名
      Toru Hirota
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会 第80回日本生化学会大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-12
  • [学会発表] Molecular metabolism that underlies mitotic chromosome assembly2007

    • 著者名/発表者名
      Toru Hirota
    • 学会等名
      第66回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-10-03
  • [図書] Chromosome Nanoscience and Technology2007

    • 著者名/発表者名
      Hoshi, O., Hirota, T., Kimura, E., Komatsubara, N., Ushiki, T.
    • 総ページ数
      9
    • 出版者
      CRC Press/Taylor & Francis
  • [備考]

    • URL

      http://www.jfcr.or.jp/tci/exppathol/index.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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