• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

DNAメチル化による糖転移酵素遺伝子不活化の、炎症発がん・がんの進展における意義

研究課題

研究課題/領域番号 18012053
研究機関国立国際医療センター(研究所)

研究代表者

土肥 多惠子  国立国際医療センター(研究所), 消化器疾患研究部, 部長 (60250221)

研究分担者 河村 由紀  国立国際医療センター(研究所), 協力研究員 (10392391)
キーワードDNAメチル化 / 糖転移酵素 / 胃がん / 大腸がん / Sd^a血液型糖鎖 / 潰瘍性大腸炎
研究概要

本研究の目的は、消化管の炎症発がんとその進展における、糖転移酵素発現のエピジェネティックな制御機構を明らかにすることである。消化管上皮細胞ではがん化に伴い種々の糖鎖の発現パターンが変化することが知られているが、その機構は明らかではない。本研究では、正常消化管に発現し、癌転移能を規定する因子の一つであるSd^a糖鎖合成酵素活性が、がん組織において消失するメカニズムとして、糖転移酵素DNAメチル化異常を検証する。最終的にはヒト消化管におけるSd^a糖鎖の発現が、胃・大腸における炎症-発がん過程のどの段階でどのようなメカニズムにより減少・消失しているのかを明らかにする。
1.潰瘍性大腸炎でのSd^a糖鎖の発現:発がんの母地となっている消化管慢性炎症における、Sd^a糖鎖発現につき潰瘍性大腸炎の手術摘出標本より凍結切片を作製し、免疫染色により検討した結果、発現が顕著に低下している症例があった。
2.Sd^a合成酵素遺伝子(GalNAc転移酵素T2)のDNAメチル化異常検出法の確立と胃がん及び大腸がんの解析:BLAT検索で見出されたCpGアイランド領域のメチル化をCOBRA法にて検出する系を確立した。胃がん細胞株,大腸がん細胞株、並びに胃がん・大腸がん症例を対象として解析した結果、胃がん細胞株6株中5株、大腸癌細胞株9株中5株でSd^a合成酵素遺伝子の強いメチル化が認められた。胃がん症例では非常に頻度高くメチル化が検出され(78例中39例,50%)、大腸がん症例では比較的頻度は低かった(79例中8例,10%)。細胞株のSd^a合成酵素遺伝子のメチル化はbisulfiteシークエンス法によっても確認した。
3.潰瘍性大腸炎でのSd^a合成酵素遺伝子メチル化の検出:1の結果を受けて炎症性腸疾患にDNAメチル化状態の検討を開始した。Sd^a糖鎖発現低下に伴って高メチル化の検出される症例を認めている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Predominant T helper type 2-inflammatory responses promote murine colon cancers.2006

    • 著者名/発表者名
      Osawa, F.
    • 雑誌名

      Int J Cancer 118

      ページ: 2232-2236

  • [雑誌論文] p51/p63, a novel p53 homologue, potentiates p53 activity and is a human cancer gene therapy candidate2006

    • 著者名/発表者名
      Kunisaki, R
    • 雑誌名

      Gene Med 8

      ページ: 1121-1130

  • [雑誌論文] IL-13 receptor α2 promotes epithelial cell regeneration from radiation-induced small intestinal injury in mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Kawashima, R
    • 雑誌名

      Gastroenterology 131

      ページ: 130-141

  • [雑誌論文] TH1/TH2-Mediated colitis induced by adoptive transfer of CD4^+CD45RB^<high> T lymphocytes into nude mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Kanai, T
    • 雑誌名

      Inflamm Bowel Dis 12

      ページ: 89-99

  • [雑誌論文] A Second generation of double mutant cholera toxin adjuvants : enhanced immunity without intracellular trafficking2006

    • 著者名/発表者名
      Hagiwara, Y
    • 雑誌名

      J Immunol 177

      ページ: 3045-3054

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi