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2007 年度 実績報告書

ドッキング・サイトを介したMAPK経路の特異性維持機構と癌におけるその異常

研究課題

研究課題/領域番号 18013011
研究機関東京大学

研究代表者

武川 睦寛  東京大学, 医科学研究所, 准教授 (30322332)

キーワードMAPキナーゼ / シグナル伝達
研究概要

哺乳類細胞には、細胞増殖に作用するERKとストレス応答に関与するp38/JNKという少なくとも3種類のMAPKカスケードが存在するが、これら複数のMAPK経路間でシグナルの誤った混線は起こらない。細胞増殖と死の制御に重要な機能を持つMAPK経路が如何にして誤ったシグナル伝達を回避し、正確な情報伝達を可能にしているかを明らかにすることは、発癌制御の観点からも極めて重要である。本研究においては、MAPKKK-MAPKK分子間の特異的結合を規定し、MAPK経路の正確なシグナル伝達を可能にする未知分子機構の解明を行った。その結果我々は、全てのMAPKK分子のC末端非酵素領域に、対応する上流のMAPKKK分子との選択的結合を規定する新規ドッキング・サイト(DVDサイト)が存在することを見出し、さらに、このDVDサイトがMAPK経路のシグナル特異性維持のみならず、MAPKKKからMAPKKへの効率的シグナル伝達にも必須であることを明らかにした。また、DVDサイトの機能を人工的に阻害することにより、MAPKKの活性化を選択的に抑制し得ることを示した,次に我々は、一部のMAPKK分子が、下流のMAPKによって刺激依存的にリン酸化されること見出し、さらに、この様なフィードバック・リン酸化によってDVDサイトの機能が阻害されてMAPK経路の活性化が抑制されることを明らかにした。
以上の結果から、ドッキング・サイトを介した各キナーゼ分子間の相互作用が、MAPK経路のシグナル特性維持、および活性制御に極めて重要な役割を果たすことが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Activation of MTK1/MEKK4 by GADD45 through induced N-C dissociation and dimerization-mediated trans-autophosphorylation of the MTK1 kinase domain.2007

    • 著者名/発表者名
      Zenshi, Miyake
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Biology 27

      ページ: 2765-2776

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞質内ストレス顆粒によるストレス応答MAPK経路の制御2007

    • 著者名/発表者名
      有本, 京子
    • 学会等名
      BMB2007(第30回日本分子生物学会・第80回日本生化学会合同大会)
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-15
  • [学会発表] ストレス応答MAP3K活性可視化プローブの創製とその応用2007

    • 著者名/発表者名
      冨田, 太一郎
    • 学会等名
      BMB2007(第30回日本分子生物学会・第80回日本生化学会合同大会)
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-12
  • [学会発表] MAPKによるストレス応答MAPKK, MKK4のフィードバック・リン酸化2007

    • 著者名/発表者名
      中村, 貴紀
    • 学会等名
      BMB2007(第30回日本分子生物学会・第80回日本生化学会合同大会)
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2007-12-12
  • [学会発表] 細胞質内ストレス顆粒によるストレス応答MAPK経路の制御2007

    • 著者名/発表者名
      有本, 京子
    • 学会等名
      東京大学生命科学研究ネットワークシンポジウム2007
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-09-15

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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