研究課題/領域番号 |
18013020
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 進昭 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10250341)
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研究分担者 |
市瀬 多恵子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00396863)
市瀬 広武 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10313090)
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キーワード | トランスジェニックマウス / VEGF-C / Angiopoietin-2 / 血管 / リンパ管 / 内皮細胞 |
研究概要 |
本研究は、血管・リンパ管形成におけるVEGF-CおよびAng-2の役割を解析することを目的としている。研究実施計画として、1、Cre/loxPシステムを利用した、VEGF-CあるいはAng-2をコンディショナルに発現するトランスジェニックマウスを用いた、各増殖因子の機能解析および実験系の確立、2、各増殖因子を恒常的に発現するES細胞を用いた、テラトーマにおける腫瘍血管・リンパ管形成機構の解析を計画し、平成18年度では以下の結果を得た。 1、VEGF-CあるいはAng-2の発現誘導のためのCreリコンビナーゼを発現するトランスジェニックマウスとして、タモキシフェン誘導型Creリコンビナーゼを広範囲の組織で発現するトランスジェニックマウスを作出し、タモキシフェンの投与によるCre/loxP遺伝子組換えの制御が胎生期および成体において実際に可能であることを確認した。 2、VEGF-Cを恒常的に発現するES細胞を用いてマウス皮下にテラトーマを形成させたところ、ES細胞の移植後2週でレシピエントマウスが死亡するという予備的結果を得た。移植後2週では野生型ES細胞のテラトーマと比較してサイズが著しく大きく、VEGF-Cによるテラトーマ形成の促進が示唆されるが、血管・リンパ管形成の関与について、野生型ES細胞と比較することが困難であり、実験系の改善を要する。 また、変異型SV40 largeT抗原、tsA58T抗原を内皮細胞特異的に発現するトランスジェニックマウスより、内皮細胞としての性質をin vitroにおいてよく保持した血管・リンパ管内皮細胞の分離、培養に成功した。今後は、VEGF-CやAng-2の機能をin vitroで解析する研究資源として利用する。
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