研究課題
本研究では癌の転移における癌細胞と間質細胞のTGF-β/BMPシグナル伝達をin vivoで検出するツールを開発するために、(1)癌の転移における腫瘍細胞のTGF-β/BMPシグナルのin vivoイメージングと (2)微小環境(間質細胞)のTGF-β/ BMPシグナルin vivoイメージングの2つのプロジェクトを中心に研究を推進した。平成18年度には、まずTGF-β/BMPシグナルのin vivoイメージングのための細胞の準備をおこない、プロモータールシフェラーゼを組み込んだレンチウイルスベクターを作製した。プロモータールシフェラーゼとしてとしてTGF-β応答性9xCAGA-LucとBMP応答性BRE-Lucを用いた。次に、これらプロモータールシフェラーゼ遺伝子をヒト乳癌細胞株MDA-MB-231の亜株MDA-D細胞に導入した。さらにMDA-D細胞をヌードマウスに心注する骨転移モデルにおいて、in vivoで骨に転移した癌細胞でTGF-βシグナルが増強することを経時的に観察することに成功した。当初遺伝子導入を考えていたマウス乳癌細胞株471とJygMC(A)については、レンチウイルスによる遺伝子導入効率が悪いことが判ったので、次年度遺伝子導入の工夫を検討することにした。次に微小環境(間質細胞)のTGF-β/BMPシグナルin vivoイメージングをおこなうために、プロモータールシフェラーゼを組み込んだトランスジェニックマウスの作製の準備をおこなった。マウスでのレポーター遺伝子の発現についてはコピー数が少ないため、蛍光に工夫を施し、通常の10倍以上の感度の蛍光蛋白を作成することに成功した。
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