研究課題/領域番号 |
18014005
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉川 裕之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40158415)
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研究分担者 |
八杉 利治 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20251267)
高塚 直能 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00293556)
前田 平生 埼玉医科大学, 医学部 (30134597)
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キーワード | HPV / 子宮頸癌 / HLA / 民族差 / 症;例対照研究 / リスク因子 / DRB1 / DQB1 |
研究概要 |
子宮頸がん患者と健常者対照を比較する症例対照研究が進行中であるが、今回は、子宮頸がん患者と子宮頸部異形成(CIN1/2)者におけるHLA遺伝子多型の比較を行い、子宮頸がんにおけるHLA遺伝子多型のリスクを明らかにすることを目的とした。 本研究は国内9施設における多施設共同研究である。目標数は子宮頸がん症例400例、対照400例で平成21年12月までの登録を予定している。平成20年2月時点で子宮頸がん患者登録数は80名である。現段階では、健常人の対照との比較ができる段階ではないので、過去のコホート研究で、同一9施設で採取したCIN I/II(前癌病変)患者454名を対照として解析を行った。 1) HLAクラスIIアレルの地域差 保有率の地域差を認めたのは DRB1*0301、DRB1*0405、DRB1*0803、DQB1*03、DQB1*0401、DQB*0601、DQB*0602であった。 2) 子宮頸癌患者(Case)とCIN I/II患者(Control)でのHLAクラスIIアレルの差 CaseとControl群間で差が認められたのはDRB1*1302、DQB1*0604であった。さらに、子宮頸がんに対するHLA遺伝子多型のリスクを明らかにするため、通常のロジスティック回帰分析と地域でマッチさせた条件付ロジスティック分析によりオッズ比を求めた。子宮頸がんリスクを上げるHLAタイプとしてDRB1*0701とマージナルではあるがDQB1*0202が、またリスクを下げるタイプとしてDQB1*0604とマージナルなものとしでDRB1*1302の関与が示唆された。これらの中で、CIN I/II の CIN IIIへの進展を阻止するものとして有意であったDRB1*1302は、今回の症例対照研究でも子宮頸がん患者に有意に少ないことが判明した。
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