• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

真のGISTの発生頻度と、その顕性化、悪性化に関与する遺伝子異常

研究課題

研究課題/領域番号 18014006
研究機関群馬大学

研究代表者

櫻井 信司  群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (00285769)

研究分担者 佐久間 裕司  神奈川県立がんセンター, 臨床研究所, 研究員 (10364514)
キーワードGIST / 顕微鏡的 / 発生頻度 / c-kit / CGH
研究概要

・真のGISTの発生頻度を明らかにするため、胃癌にて切除された胃全摘出検体100症例を全割して標本を作製、一症例あたり標本を84-231個(平均130個)作成し、顕微鏡的なGISTの発生頻度を検索した。
結果)100症例中、35症例50病変の顕微鏡的GISTを見出した。GISTはいずれもKIT陽性で大きさは0.2-4mm(平均1.5mm)、一部のGISTにはc-kit遺伝子変異が見られた。.また、発生部位も臨床的GISTが見られる胃体部に集中しており、これら顕微鏡的なGISTは臨床的GISTの前駆病変であると考えられた。臨床的なGISTの発生頻度は10万人に1-2人とされており,我々が見出した顕微鏡的GISTの発生頻度はその数万倍であると考えられる。この顕微鏡的GISTの段階で、すでにc-kit遺伝子変異が生じていることより、当初の仮説通り、臨床的GISTにまで進展するにはc-kit遺伝子変異+他の遺伝子異常が必須であると考えられ、新たな治療のターゲットとして有望である。
・顕微鏡的GISTから臨床的GISTに進展する遺伝子異常の探索 これまでのマイクロサテライトマーカーやCGHを用いた解析より、low-risk, high-riskのGISTに共通して1p, 14q, 22qの欠失が報告されている。この領域に顕微鏡的GISTから臨床的GISTに進展する原因遺伝子が存在している可能性が高いと考えられ、より小さなGIST(5mm-35mm大)における詳細な検索を行っている。1p, 14q, 22qに限定した超高密度のマイクロアレイを作成しCGH解析を行っているところである。最近、GISTにおける1p, 14q, 22qの欠失は独立したクラスターであるとする論文(Gunawan B et al.J Pathol 2007;211:463-470)が報告されているが,prellmlnaryな我々の解析結果では、5mm-30mm以下程度の小さなGISTにおいて、既に1p, 14q, 22qの一部に重複して欠失の見られることが明らかになっており、異なる結果である。さらに小さな顕微鏡的GIST病変について,whole genome amplificationの手法を用いたCGHを行い、目的の遺伝子を探索していく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Comparative study using rabbit-derived polyclonal, mouse-derived monoclonal, and rabbit-derived monoclonal antibodies for KIT immunostaining in GIST and other tumors.2007

    • 著者名/発表者名
      Saito M, Sakurai S et al.
    • 雑誌名

      Pathology International 57・4

      ページ: 200-204

  • [雑誌論文] GISTの病理組織診断2007

    • 著者名/発表者名
      櫻井信司, 平戸純子 他
    • 雑誌名

      小児外科 第39巻第1号

      ページ: 12-19

  • [雑誌論文] High incidence of microscopic gastrointestinal stromal tumors in the stomach.2006

    • 著者名/発表者名
      Kawanowa K, Sakuma Y, Sakurai S et al.
    • 雑誌名

      Human Pathology 37・12

      ページ: 1527-1535

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi