研究分担者 |
紙谷 浩之 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (10204629)
秋田 英万 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80344472)
山田 勇磨 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (60451431)
小暮 健太朗 北海道大学, 京都薬科大学薬学部, 教授 (70262540)
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研究概要 |
我々は、多機能性エンベロープ型ナノ構造体(MEND)の開発に成功し、細胞膜透過機能を有するオクタアル,ギニン(R8)修飾したR8-MENDは、培養細胞系においてアデノウイルスと同等の遺伝子発現を示すことを明らかにした(Khalil,et al.Gene Ther.2007)。さらに、in vivoでがん組織選択的な遺伝子デリバリーシステムを開発するために、がん組織内で特異的に発現するペプチダーゼ(MMP)により切断されてPEGを脱離し、がん細胞内へ侵入するという新しい戦略(PEG-peptide-DOPE(PPD)-MEND)を設計し,本コンセプトが機能するかをin vitro系で検証した。その結果、PPD-MENDはMMP依存的にPEGが解離し、高い遺伝子導入を誘起できることが明らかとなった。さらに、本PPD-MENDをマウスに静脈内投与すると、血中滞留性を示すと同時に、腫瘍組織へ有為な送達が可能であり、in vivoにおける遺伝子発現にも成功した(Hatakeyama,et al.Gene Ther.2007)。さらに、PPD-MENDにsiRNAを搭載し、in vivoで腫瘍組織へ標的化可能、かつ、がん細胞で発現している遺伝子(ルシフェラーゼ遺伝子)を選択的にノックダウンすることにも成功した。本、PPD-MENDに抗腫瘍効果を誘起するsiRNAを搭載することにより、がん治療への道が拓かれることが期待できる。
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