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2007 年度 実績報告書

STAT3を標的とした分子標的療法をめざして

研究課題

研究課題/領域番号 18015010
研究機関東京大学

研究代表者

北村 俊雄  東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)

研究分担者 川島 敏行  東京大学, 医科学研究所, 助教 (10306839)
キーワードSTAT3 / 癌 / 低分子化合物 / 阻害剤 / IL-6
研究概要

我々が開発したSTAT3阻害剤スクリーニング法によって同定した低分子化合物のうち、骨髄腫細胞株の増殖抑制効果が強いRJSI-1およびRJSI-2を解析した。昨年度に報告したようにRJSI-2はSTAT3/STAT5とJAK1/2の活性化を抑制するが構造的にはキナーゼ阻害剤ではなく、キナーゼ活性も有しなかった。RSJI-2は20マイクロMの濃度でヒト骨髄腫細胞株KT3、INA6およびKMM1のin vitro増殖をほぼ完全に抑制するが、本年度は担癌マウスにおけるがん細胞増殖抑制効果を調べた。SCIDマウス背部にKMM1を注射した担癌マウスにおいて7日後からRSJI-2を投与したところ、腫瘤の増大が有意に抑制された。一方、RSJI-1もIL-6依存性細胞株の増殖を抑制したが、Jak1/2およびSTAT3のリン酸化の抑制は軽度であったが、STAT3による転写活性化を調べるルシフェラーゼアッセイではSTAT3の活性化が著明に抑制されていた。この時、興味深いことにリン酸化されたSTAT3の核内移行が抑制されていた。また、RJSI-1は活性化されたリン酸化STAT5の核内移行も阻害した。これらの結果は、活性化STAT3/5の核内移行阻害がRJSI-1の作用機序であり、RJSI-2とは異なることを示している。現在、核内移行機構のどのステップを阻害するかを確定するために、各種精製蛋白質とビアコアを利用して解析中である。
製薬会社と共同で行ったスクリーニングについては、30万化合物から1種の化合物が選別されておりこの化合物に関しては現在作用を検討中である。またRJSI-2の修飾を別の製薬企業との共同研究で開始する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] AML1 mutations induced MDS and MDS/AML in a mouse BMT model.2008

    • 著者名/発表者名
      渡辺(大河内)直子
    • 雑誌名

      Blood 111

      ページ: 4297-4308

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analysis of mouse LMIR5/CLM7 as an activating receptor: differential regulation of LMIR5/CLM7 between mouse and human.2008

    • 著者名/発表者名
      山西 吉典
    • 雑誌名

      Blood 111

      ページ: 688-698

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rac and Nuclear Translocation of STAT Transcription Factors.2008

    • 著者名/発表者名
      川島 敏行
    • 雑誌名

      Methods in Enzymology 431

      ページ: 171-180

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional analysis of an activating receptor LMIR4 as a counterpart of an inhibitory recept LMIR3.2007

    • 著者名/発表者名
      伊沢 久未
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 25

      ページ: 17997-18008

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of TSC-22 as a potential tumor suppressor that is upregulated by Flt3-D835V but not Flt3-ITD.2007

    • 著者名/発表者名
      呂 洋
    • 雑誌名

      Leukemia 21

      ページ: 2246-2257

    • 査読あり
  • [学会発表] RasGRP4と変異型AML1はマウスBMTモデルにおいて協調的に働き、T細胞性白血病を誘発する.2007

    • 著者名/発表者名
      渡辺(大河内)直子
    • 学会等名
      第69回日本血液学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20071000
  • [学会発表] STAT3/5の活性化メカニズムと分子標的療法2007

    • 著者名/発表者名
      川島敏行
    • 学会等名
      第69回日本血液学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20071000
  • [学会発表] 白血病およびMDSの分子病態:マウス骨髄移植モデルおよび発現クローニング法を利用した解析.2007

    • 著者名/発表者名
      北村 俊雄
    • 学会等名
      第66回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20071000

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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