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2007 年度 実績報告書

がん糖脂質を標的にした免疫治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18015029
研究機関京都大学

研究代表者

杉田 昌彦  京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80333532)

キーワード癌 / 脂質 / 免疫学 / 細胞・組織
研究概要

ヒトグループ1CD1分子(CD1a、CD1b、CD1c)は、糖脂質抗原をT細胞に提示する新しい抗原提示分子である。がんに対する獲得免疫機構は、従来より知られていたタンパク抗原特異的なMHC依存性免疫経路だけでなく、糖脂質抗原特異的なCD1依存性免疫経路との総和として成立する。これまでの研究から、肺腺がんなど一部のがん細胞は、がん化に伴いCD1分子の発現を獲得することが明らかとなっている。したがって、これらのがん細胞が産生する糖脂質はCD1拘束性T細胞に提示され、その活性化を通してがんが制御されるとの作業仮説を立て、それを検証する研究を展開した。まずCD1a陽性肺がん細胞を特異的に傷害するCD1a拘束性キラーT細胞が健常人末梢血中に存在することを、T細胞株を用いたin vitroの細胞傷害アッセイにより実証した。このがん細胞傷害作用は、抗CD1a抗体の存在下で完全に阻害されたことから、CD1a分子とそれに結合した糖脂質抗原の免疫認識により、がん細胞が制御される可能性が示された。他方、今後の個体レベルでの糖脂質ワクチンの探索研究を視野に、それに適した小動物モデルの開発研究を行った。マウスやラットはヒトグループ1CD1に相当する分子を欠如している。そこで、ヒトCD1aゲノム遺伝子を単離し、それを発現したトランスジェニックマウスを作製した。このマウスは、ヒトCD1a分子の組織発現を正確に再構築したこれまでにないマウス系統であり、脂質特異的CD1a拘束性T細胞のポジティブセレクションが見られることから、CD1a分子を介したがん制御機構の個体レベルでの解析に適した小動物モデルが確立された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Pathways of CD1 and lipid antigen delivery, trafficking, processing, loading and presentation.2007

    • 著者名/発表者名
      Sugita M, Barral DC, Brenner MB.
    • 雑誌名

      Current Topics in Microbiology and Immunology 314

      ページ: 143-164

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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