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2007 年度 実績報告書

ユピキチンプロテアソーム系の応用による2段階肺癌遺伝子ワクチン

研究課題

研究課題/領域番号 18015040
研究機関九州大学

研究代表者

姫野 國祐  九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50112339)

研究分担者 久枝 一  九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (50243689)
濱野 真二郎  九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70294915)
キーワード抗腫傷免疫 / DNA ワクチン / ユビキチンプロテアソーム / 3LL 肺癌 / MUT1遺伝子
研究概要

薬剤耐性癌や転移癌に対しては免疫学的アプローチの必要性が指摘されているが、困難を極めている。その主な要因は以下の如くである。
(1) 癌抗原は同種の癌/腫瘍でも個体兼があり、また同定されていない癌も多い。
(2) 癌細胞に対する主たる攻撃細胞はキラーT細胞(CTL)であるが、CTLは癌細胞上の主要組織抗原(MHC)クラスI(ヒトではHLA・A,B,C)に提示された癌抗原ペプチドを認識したうえで癌細胞を攻撃するが、癌が悪性化するほどMHCクラスIが発現されなくなるので、それらの癌細胞はCTLのターゲットにならない。
(3) 癌抗原に個体差がない場合でもMHCクラスIが異なれば、各々の個体のMHCクラス1が異なった癌抗原ペプチドを提示する。それ故ペプチド抗原を用いた免疫療法は各々の個体に対応するテイラーメイド的な癌抗原ペプチドの同定が必要となる。
以上のごとく癌細胞を直接のターゲットとした免疫療法の確立は非常に困難である。近年免疫学的治療の方向性として、癌組織の栄養血管のブロックないしは新生阻止が有力な手段として想定されている。本新生研究では癌/腫瘍の新生栄養血管に発現するaquaporin-1(AQP-1)の遺伝子とユビキチン遺伝子の融合遺伝子を用いてDNAワクチンを行い、MHCクラスI分子を発現していない悪性のB16F10メラノーマ等に対する強い抗腫瘍免疫の誘導を試みた。この抗腫瘍免疫は癌細胞自体に対してではなく、AQP-1特異的CTLがMHCクラスIと共にAQP-1を発現している新生栄養血管を破壊することによる"兵糧攻め"効果を誘導した。
本申請研究により、癌/腫瘍の新生栄養血管に発現するaquaporin-1(AQP-1)の遺伝子とユビキチン遺伝子の融合遺伝子を用いてDNAワクチンを行なった場合には悪性のB16F10メラノーマに対しても強い抗腫瘍免疫が誘導しうることの確認した。さらに同じキメラ遺伝子を用いたDNAワクチンは、MHCの異なったBALB/cマウスの大腸がん(colon26)、腎癌(Renca)、C3Hマウスの膀胱癌等に対しても抗腫瘍免疫が誘導されることを確認した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Critical contribution of immunoproteasomes in the induction of prptective immunity against Trypanosoma cruzi in mice vaccinated with a plasmid encoding a CTL epitope fused to green fluorescence protein.2008

    • 著者名/発表者名
      Chou, B, et. al.
    • 雑誌名

      Microbes and Infection 10(3)

      ページ: 241-250

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antigen-specific CD8+ T cells induced by the ubiquitin fusion degradation pathway.2008

    • 著者名/発表者名
      Imai, T, et. al.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 365(4)

      ページ: 758-763

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ubiquitin-fusion degradation pathway: a new strategy for inducing CD8 cells specific for mycobacterial HSP65.2008

    • 著者名/発表者名
      Shen, J, et. al.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 365(4)

      ページ: 621-627

    • 査読あり
  • [学会発表] 変異ユビキチンを利用したユビキチン融合分解経路に基づくMHC・classI拘束性のCD8+T細鞄Q動率的な誘導2007

    • 著者名/発表者名
      今井孝
    • 学会等名
      第2回臨床ストレス応答学会大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2007-12-01
  • [学会発表] UFD経路によるmyoobacterial HSP65に対するCD8T細胞の誘導2007

    • 著者名/発表者名
      段学鋒
    • 学会等名
      第2回臨床ストレス応答学会大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2007-12-01
  • [学会発表] Application of ubiquitin fusion degradation pathway in DNA vaccination of Trypanosoma cruzi2007

    • 著者名/発表者名
      仇斌
    • 学会等名
      第2回臨床ストレス応答学会大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2007-12-01

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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