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2007 年度 実績報告書

脱メチル化ターゲット配列データベースの作成と共通モチーフの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18016003
研究機関群馬大学

研究代表者

畑田 出穂  群馬大学, 生体調節研究所, 准教授 (50212147)

研究分担者 堀居 拓郎  群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (00361387)
キーワードゲノムワイド / メチル化 / エビジェネティクス / マイクロアレイ / 分化
研究概要

神経幹細胞の分化系を用いてゲノムワイドなメチル化の解析をおこなった。マウスの11.5日胚からとりだした神経幹細胞は神経にしか分化することはできない。それに対し14.5日胚からとりだした神経幹細胞は神経にもアストロサイトにも分化することができる。一見同じようにみえる神経幹細胞にこのような違いがみられるのはエピジェネティクな違いであると考えられる。その根拠はGfapというアストロサイトの分化マーカー遺伝子はSTAT3という転写因子により活性化されることが知られているが、11.5日胚由来の神経幹細胞ではGfap遺伝子におけるSTAT3の結合サイトがメチル化されているのに対し、14.5日胚では脱メチル化されていることがわかっているからである。
そこで我々は、Gfap以外の遺伝子においても同様にアストロサイトの分化に必要な遺伝子の脱メチル化が起こっているのではないかと考え、ゲノムワイドなメチル化のプロファイリングをおこなった。その結果、14.5日胚由来の神経幹細胞では11.5日胚由来の神経幹細胞と比較し脱メチル化がおこっている遺伝子が多くあることがわかった。これらの遺伝子の多くはアストロサイトにおいても脱メチル化されて発現が誘導されており、ゲノムワイドな脱メチル化はアストロサイトの分化に重要な働きをしていることがわかった。しかしながらこれらの遺伝子のオントロジーの解析をおこなったところ強い特徴はなかった。また保存されたSTAT3の結合配列もみられなかった。一方、14.5日胚由来の神経幹細胞においてメチル化される遺伝子はほとんどなかったが、最終的に分化したアストロサイトにおいてはメチル化される遺伝子が多く見られた。またおもしろいことにこれらの遺伝子のオントロジーの解析をおこなったところ発生、転写関連遺伝子が多いことがわかった。これは分化が終わった細胞においては分化に必要な遺伝子が不活性化し、細胞の分化状態を安定化しているのではないかと推測される。またこれまでの癌などのゲノムワイドなプロファイリングにおいてメチル化されている遺伝子においてやはり発生、転写関連が多かったことから、発生、転写関連遺伝子がDe novoのメチル化のターゲットとなっているのではないかと考えた。そこでDe novoのメチル化酵素の1つであるDnmt3aのノックアウトマウスで脱メチル化されている遺伝子、つまりDnmt3aによりメチル化される遺伝子をゲノムワイドにプロファイリングしたところ発生、転写関連遺伝子が多いことがわかり、我々の推測が正しいことが証明された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A comparative analysis of the transcriptome and signal pathways in hepatic differentiation of human adipose mesenchymal stem cells.2008

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Y, Banas A, Murata S, Ishikawa M, Lim CR, Teratani T, Hatada I, Matsubara K, Kato T, Ochiya T.
    • 雑誌名

      FEBS J. 275

      ページ: 1260-1273

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mecp-2 dependent repression of an imprinted miR-184 released by depolarization.2008

    • 著者名/発表者名
      Nomura T, Kimura M, Horii T, Morita S, Soejima H, Kudo S & Hatada I^*
    • 雑誌名

      Hum Mol Genet. 17

      ページ: 1192-1199

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Loss of Genomic Imprinting in Mouse Parthenogenetic Embryonic Stem Cells.2008

    • 著者名/発表者名
      Horii T, Kimura M, Morita S, Nagao Y & Hatada I.^*
    • 雑誌名

      Stem cells 26

      ページ: 79-88

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Geome-wide demethylation during neural differentiation of P19 embryonal carcinoma cells.2008

    • 著者名/発表者名
      Hatada I^*, Morita S, Kimura M, Horii T, Yamashita R & Nakai K.
    • 雑誌名

      J. Hum Genet. 53

      ページ: 185-191

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Long-Term Effects of In Vitro Growth of Mouse Oocytes on Their Maturation and Development.2007

    • 著者名/発表者名
      Obata Y, Maeda Y, Hatada I & Kono^* T.
    • 雑誌名

      J Reprod Dev. 53

      ページ: 1183-1190

    • 査読あり
  • [雑誌論文] One Argonaute family member, Eif2c2 (Ago2), is essential for development and appears not to be involved in DNA methylation.2007

    • 著者名/発表者名
      Morita S, Horii T, Kimura M, Goto Y, Ochiya T & Hatada I^*.
    • 雑誌名

      Genomics. 89

      ページ: 687-696

    • 査読あり
  • [学会発表] Genome-wide DNA methyaltion analysis by MIAMI.2007

    • 著者名/発表者名
      Hatada I^*
    • 学会等名
      Epigenomics, Technology, Products, and Obstacles
    • 発表場所
      Osaka, Japan
    • 年月日
      2007-06-14

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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