研究課題
与えられた2つのタンパク質が相互作用するかどうかを、アミノ酸配列情報のみから機械学習サポートベクタマシン(SVM)を用いて学習・予測する手法を開発した。配列特徴としては、(1)アミノ酸の隣接ペアの出現頻度、(2)(1)の3つ組の出現頻度、(3)アミノ酸の物理化学特性に基づく分類の隣接ペアの出現頻度、(4)(3)の3つ組の出現頻度の4通りを試したところ、(2)が最も良い結果を示した。タンパク質間相互作用部位予測については、昨年度に引き続き、タンパク質のアミノ酸配列情報のみを用いて予測する手法と、タンパク質のアミノ酸配列情報と構造情報の両方を用いて予測する手法の2つを開発したが、本年度はとくに後者について、SVR(Support Vector Regression)を用いて、各残基の周辺の相互作用残基数を予測する手法を新たに開発し、従来よりも高い精度で予測できることを示した。本年度は、また、タンパク質-リガンド結合部位予測の手法を開発した。これは、タンパク質表面にメタン分子を格子状にプローブさせ、タンパク質分子とのvan der Waals相互作用エネルギーを計算するというものである。Pocket FinderやQ-site Finderなど現在広く用いられている手法より高い精度で予測でき、とくにunbound予測における予測精度の向上が大きいという結果を得た。ドッキングシミュレーションについては、新たな直交関数系を導入し、予測精度の改善を試みた。また、高精度の相互作用解析を行うため、ab initio分子動力学(MD)とマルチカノニカルMDを統合した手法を新たに開発し、相互作用部位における化学反応の動的な解析を可能にする基盤技術を開発した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)
PROTEINS: Structure, Function, and Bioinformatics, (掲載確定)
IPSJ Transactions on Bioinformatics 49
ページ: 25-35
Nature Immu. 8(7)
ページ: 762-771
http://www.bi.a.u-tokyo.ac.jp/