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2006 年度 実績報告書

行動異常を示す変異体の単離と解析

研究課題

研究課題/領域番号 18016009
研究機関名古屋大学

研究代表者

平田 普三  名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (60402450)

キーワード分子生物学 / 発生生物学 / 電気生理学 / 神経 / 運動 / 行動 / グリシン受容体 / シナプス
研究概要

動物は外界からの侵害刺激に応答して逃避運動をとる。これは動物にとって重要な運動であり、小型熱帯魚であるゼブラフィッシュの場合、受精からわずか21時間後には接触刺激に応じた逃避運動をとることが知られている。この時、刺激は感覚ニューロンで感受され、シグナルが脳へ伝えられる。脳は情報処理を行い、運動ニューロンを発火させ、筋へ電位変化として情報を伝える。筋は電位情報をカルシウムイオンに変換し、これが筋収縮を起こす。研究代表者はゼブラフィッシュをモデルとして、逃避運動における異常のある変異体をスクリーニングし、運動のメカニズムを解明する研究を行っている。
今年度、研究代表者が作成したrelatively-relaxed(ryr)は逃避時の泳動が遅いゼブラフィッシュ突然変異体である。筋でパッチクランプを行い運動時の神経から筋への出力を電位変化として記録すると、ryr変異体でも正常な電位変化が見られたことから、ryr変異体の神経が正常に機能していることが分かった。これは同時にryr変異体では筋に異常のあることを示唆している。Calcium Green-1 dextranを指示薬として、運動時の筋でのカルシウム変化を共焦点レーザー顕微鏡で可視化すると、電位変化をカルシウムイオンに変換するステップで異常があることが分かった。この情報変換にはジヒドロピリジン受容体とリアノジン受容体が必要であるが、変異体ではリアノジン受容体遺伝子にDNA挿入が見つかった。変異体ではリアノジン受容体のmRNAのスプライシングに異常があり、途中で終止コドンが生じることから、リアノジン受容体を合成することができなかった。ryr変異体ではリアノジン受容体を欠き、電位変化をカルシウムイオン変化に変換することができないために運動時の筋収縮力が弱く、その結果として泳動が遅くなることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Non-sense mutations in the dihydropyridine receptor β1 gene, CACNB1, paralyze zebrafish relaxed mutants.2006

    • 著者名/発表者名
      Weibin Zhou
    • 雑誌名

      Cell Calcium 39・2

      ページ: 227-236

  • [雑誌論文] Impaired fatty acid utilization in thioredoxin binding protein-2 (TBP-2)-deficient mice : a unique animal model of Reye syndrome.2006

    • 著者名/発表者名
      岡 新一
    • 雑誌名

      FASEB Journal 20・1

      ページ: 121-123

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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