研究概要 |
研究代表者等は、ES細胞(胚性幹細胞)を用いて血管および心臓の分化研究を行い、心血管分化過程を細胞レベルで経時的系統的に解析できる新しい分化システムを構築した(Nature, 2000; FASEB J, 2005)。本研究は、ヒトを含めた哺乳動物の発生及び細胞分化過程を構成的に再現し、その過程におけるゲノム機能のダイナミズムを細胞レベルで解析・提示できる新たな研究基盤の構築を目的とする。研究期間内においては、1)我々の新しいES細胞分化系を用いた心血管細胞分化過程における細胞レベルでの遺伝子プロファイルの作製、2)心血管分化における機能遺伝子の網羅的同定、3)同機能遺伝子群による構成的細胞分化の再現を行う。また、4)分化過程におけるゲノム構造変遷の可視化と5)同定遺伝子発現制御機構の解析により、個々の細胞分化におけるゲノム機能の経時的系統的解析を試みる。さらには6)ヒトES細胞を用いた構成的ヒト発生学の構築を試みる。本年度は、 1)動静脈分化における遺伝子プロファイルの作製:誘導した動静脈リンパ管内皮細胞を純化し遺伝子発現プロファイルを作製した。数々の動静脈リンパ管内皮特異的遺伝子を同定した。 2)心筋分化における遺伝子プロファイルの作製:心筋及び心筋前駆細胞特異的遺伝子群を同定。 3)心筋ペースメーカー細胞分化機構の解析(Yanagi, Stem Cells, 2007)。 4)ヒトES細胞血管分化誘導システムの構築(Sone, Arterioscler Thromb Vasc Biol, 2007)。 5)マウス人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いた心血管分化誘導システムの構築 6)ヒトiPS細胞を用いた心血管分化誘導。
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