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2006 年度 実績報告書

植物に特徴的な倍数性ゲノム間相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18017021
研究機関福井県立大学

研究代表者

村井 耕二  福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (70261097)

研究分担者 荻原 保成  横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (40185533)
キーワード倍数性コムギ / 大量EST解析 / ストレス応答遺伝子 / 花成制御遺伝子 / ゲノムの機能分化 / ゲノムワイド解析 / 多重遺伝子族の発言制御 / プロモーター解析
研究概要

コムギは倍数化により進化してきたことを特徴とする。パンコムギは倍数化する際、異種間の異なるゲノムを組み合わせた(異質倍数性:ゲノム式AABBDD)。これらのゲノムが内包する遺伝子セットは基本的に同じであると考えられるが、互いに分化している。倍数種のゲノム構成および遺伝子発現調節はそれぞれのゲノムの単なる足し算ではなく、高次な制御機構による相互作用が働いているに違いない。本研究は、パンコムギをモデルとして、倍数種が成立した結果生じたジェネティックおよびエピジェネティックな変化をゲノム科学的に解析することを目的とする。
本年度の成果は以下のとおり。
1.コムギESTの大量解析:これまでに決定した628,226シークエンスを整列化し、89,658個のcontig、35,604個の遺伝子クラスター(同祖遺伝子を同一クラスターとする)を得た。これらのcontigを用いin silicoで遺伝子発現パターンを解析できる遺伝子発現ボディーマップを作成した。
2.花成関連遺伝子のクローニングと発現解析:花器官形成に関与するクラスE遺伝子の一つであるWLHS1について、A, B, Dゲノムに座乗する3つの同祖遺伝子(WLHS1-A, WLHS1-B, WLHS1-D)のうちWLHS1-Aは遺伝子内部に構造変異が存在するため機能のある遺伝子産物が作られないこと、WLHS1-Bはメチル化によりサイレンシングされていること、WLHS1-Dのみ機能のある遺伝子産物を作ること、を明らかにした。
3.同祖遺伝子のゲノム別発現様式のバイオインフォマティックス的解析:比較的発現量の多い5,199遺伝子contigについて、約58%の遺伝子が1ゲノムのみから発現しており、Aゲノムの遺伝子が発現が抑制される傾向にあることが明らかとなった。
4.オリゴDNAマイクロアレイを用いた塩処理に応答する遺伝子の体系的解析:全体で約32Kの遺伝子のうち、塩に応答する遺伝子は全体の約19%であった。このうち転写因子について、発現パターンを詳細に解析した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Transcriptome analysis of salinity stress responses in common wheat using a 22K oligo DNA microarray2006

    • 著者名/発表者名
      Kawaura et al.
    • 雑誌名

      Funct. Intgr. Genomics 6

      ページ: 132-142

  • [雑誌論文] Tissue expression map of comprehensive expressed sequence tags and its application to in silico screening of stress response genes in common wheat2006

    • 著者名/発表者名
      Mochida et al.
    • 雑誌名

      Mol.Genet.Genomics 276

      ページ: 304-312

  • [雑誌論文] WFL, a wheat FLORICAUKA/LEAFY ortholog, is associated with spikelet formation as lateral branch of the inflorescence meristem2006

    • 著者名/発表者名
      Shitsukawa et al.
    • 雑誌名

      Genes Genet.Svst. 81

      ページ: 13-20

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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