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2007 年度 実績報告書

比較ゲノム解析による軸決定進化プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18017027
研究機関地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所)

研究代表者

松尾 勲  地方大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合地方独立医療センター(研究所), 病因病態部門, 部長 (10264285)

キーワードマウス / フグ / 前後軸 / Wntシグナル / 進化プロセス / ゲノム / DKK1 / 前脳形成
研究概要

1、カノニカルWntリガンドであるマウスWnt8Aとその拮抗因子であるDkk1を過剰に発現したマウス胚の表現型を解析した。これらのトランスジェニックマウスでは,原条形成以前に前後軸形成に異常がみとめられることを報告していた。今回,前脳形成過程に顕著な異常が観察された。具体的には,Dkk1遺伝子を過剰に発現させると前脳領域が拡大し,Wht8Aを過剰を発現させると逆に縮小していた。前後軸に沿った神経上皮マーカーを用いて解析したところ,BF1やSix3などの前脳特有な発現が,Dkk1発現マウスでは拡大し,Wht8A発現マウスでは縮小していた。これらの結果は,他の脊椎動物で示されてきたカノニカルWntシグナルの抑制が前脳領域の形成に関与するというモデルとよく一致し,進化的にも保存された機構であることが示唆される。2、現在までに,Otx2遺伝子の臓側内胚葉における発現を支配するフグゲノム断片がゼブラフィシュ胚においてどのような機能を担っているか検討するため,トランスジェニックゼブラフィシュを作製している。レポーター遺伝子の発現を,0tx1,2,3などの内在性の遺伝子発現と比較したところ,フグゲノム断片によって支配されたレポーター発現は,0tx遺伝子群の発現ドメイン内に含まれていること,更に,内在性のDkk1遣伝子の発現と極めて類似していることが分かった。この結果は,小型魚類においてもカノニカルWntシグナルが関与する前後軸決定機構が,シス配列のレベルで,更には転写因子のレベルで保存されている可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Possible involvement of SINEs in mammalian-specific brain formation.2008

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Sasaki, et. al.
    • 雑誌名

      Proc.Natl. Acad. Sci.USA 105

      ページ: 4220-4225

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dkk3-Cre BAC transgenic mouse line:A tool for highly-efficient deletionin retinal progenitor cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Shigeru Sato, et. al.
    • 雑誌名

      Genesis 45

      ページ: 502-507

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional roles of Otx2 transcription factor in postnatal mouse retinal development2007

    • 著者名/発表者名
      Chieko Koike, et. al.
    • 雑誌名

      Mol. Cell. Biol. 27

      ページ: 8318-8329

    • 査読あり
  • [学会発表] Identification and characterization of a transgene insertion mutation of Ext2 gene encoding a g;ucpsu;transferase2007

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Mukai, et. al.
    • 学会等名
      Mouse Molecular Genetics Meeting
    • 発表場所
      Cambridge,UK
    • 年月日
      2007-09-07
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/inst-mch/Byo/Byo.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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