研究課題
本研究では一塩基置換多型(SNP)よる喘息全ゲノム関連解析の結果から陽性となったSNP(一次解析)をさらに家系およびケースコントロールのサンプルを用いて関連解析(二次解析、三次解析)を行うことにより疾患感受性遺伝子を探索することを目的とする。一次解析で関連が認められたSNPのうち、二次解析において125SNPの遺伝子型同定を行った。これらの中で、rs373619、rs3213733、rs3771140、rs2820421、rs3732073、rs3755196の六つのSNPにおいて一次、二次解析ともに喘息発症との関連が認められた。関連が認められた六つのSNPはそれぞれoptic atrophy 1 (OPA1)、interleukin 18 receptor 1 (IL18R1)、hippocalcin-like 1 (HPCAL1)、peroxisomal biogenesis factor 19 (PEX19)、cysteine-rich motor neuron 1 (CRIM1)に存在した。三次解析ではCRIM1のSNPとPEX19のSNPにおいて、喘息との関連が追認された。CRIM1はシステインリッチ運動ニューロン1タンパクの前駆体であり、運動ニューロンの分化や生存に関わる成長因子と相互作用することによって、中枢神経系の発達に影響している可能性、また血管の形成と保持に関与している可能性がある。PEX19は偏在的に発現されており、ペルオキシソーム生合成に不可欠で、細胞質のシャペロンとして、またペルオキシソーム膜タンパクに対するレセプターとして作用する。CRIM1とPEX19はこれまで喘息との関連は報告されておらず、機能解析や発現解析を通して喘息との関係をさらに研究していく必要がある。
すべて 2006
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