研究概要 |
大規模in situ hybridizationによる候補の獲得 インスリン分泌という膵島特異的機能に関連する遺伝子群を網羅的に集積するために、前年度までに我々はハイスループットなEST in situ hybridizationの系を確立し、独自収集した2万個のラットESTに由来する約1万種類の重複しない配列を用いて膵島の特異的発現について網羅的解析を実施した。その結果、現在までに膵島に特異性の高い発現遺伝子134個(既知43個。未知91個)を同定した。そのうち、機能が明らかな20遺伝子をSNPスクリーニングし、181SNP(新規91個、ミスセンス15個)を同定した。現在、疾患発症との関連を解析している 膵島non-coding RNAの集積と機能解析 既知のmiRNAに関しては、ヒト474種類とラット234種類について解析を進めており、特に組織特異性が高いと推定されるヒト3配列とラット3配列を中心に進めている。予測miRNAに関しては、ヒト743種類とラット236種類を選択し、ヒト75配列とラット1配列について検討している。 インスリン分泌と食欲調節との関連についての解析 ラット視床下部のESTも平行して14,000個を集積し、重複しない5,442遺伝子(既知2.858種類、未知2,584種類)のセットを構築した。データベースサーチでどの登録ESTにも合致しない新規遺伝子は1.367種類あり、組織特異性の高い遺伝子群と考えられる。マイクロアレイ解析で得られた膵島プロフィールとの共通性を解析している。ゲノム配列を用いて特異性の高い遺伝子(神経内分泌に関連する遺伝子に特に焦点を当てた)について、10Kb以内のプロモーター配列におけるグルココルチコイド応答配列の有無をin siloco解析し、その結果として91遺伝子を同定した。
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