研究概要 |
脳動脈瘤遺伝解析において、常染色体優性遺伝形式が仮定できる9家系に連鎖解析を行なった。その結果19q13.3-19q13.4に、LOD=4.10(HLOD=4.10)連鎖領域を確認した。ハプロ解析でD19S198-D19S902が候補領域と考えられた。この領域は、我々が既に報告した領域と一致する。またこの領域には、ERF(Ets2 repressor factor), plasminogen activator, urokinase-receptor(PLAUR), Re1A-associated inhibitor(RAI)およびprostacyclin receptor(PTGIR)が存在する。これらについて引き続き解析を行なう。 モヤモヤ病の遺伝解析において、15家系を用いて、affected-member-onlyによるパラメトリック解析を行ったところ、ゲノムワイドで3.6を超える領域は17q25以外にはなく、LOD Score 8.08となった。この領域には90遺伝子が存在し、pseudogeneおよびhypothetical geneを除いた62の遺伝子について解析を進めている。 脳動静脈奇形(AVM)の遺伝解析において家系内でAVMの発症のある6家系およびAVMの高発地域である岐阜県内のT市で症例26例および対照30例の協力を得て行なった。またこの地域では2組のdiscordant identical twinsの参加協力を得た。最大のLOD scoreを示す候補連鎖領域は、6p25で1.88(p=0.002)であった。一方高密度SNPsを用いた相関研究での検討では4つのSNPsと2つのハプロタイプがp<0.001を満たしていたが、候補連鎖領域への重なりは認められなかった。また、discordant identical twinsの2組を50Kの高密度SNPsでタイピングしたところ、配列の欠失、重複などは認められなかった。
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