研究課題
本研究の目的は、細胞単位で回収した細胞をプールして、その細胞集団に特異的な発現プロファイルを捉え、その生物学的意義を理解するとともに、このような解析技術を実用的に改良・開発することである。以下に本年度の成果を示す。1)組織マスト細胞の解析消化管胃部切片より粘膜層ならびに粘膜下層に存在するMMCとCTMCを各15細胞プールし、発現プロファイルを比較した。MMC/CTMCに偏った発現を示す各4遺伝子についてReal-time PCR解析を行ったところ、いずれもアレイ解析を再現した。このような3回の独立試行の結果、CTMC特異遺伝子、MMC特異発現発現遺伝子群を同定した。2)化学物質による肝癌初期巣発がんイニシエーター誘発性肝癌モデルで、肝癌マーカーである胎盤型グルタチオンS-転移酵素(GSTP)発現を指標に、肝癌の初期病巣(foci)と正常肝細胞との発現プロファイルを比較し、癌毒性で早期に変化する遺伝子群を同定した。その結果、GSTP陽性細胞で発現増加する遺伝子が非常に多く見られた。なかでも、代謝に関与する遺伝子群1,500の10%が発現亢進していた。3)プロスタグランジンEP4受容体欠損と動脈管開存研究代表者は、PGE2-EP4-cAMPシグナルが、動脈管平滑筋のヒアルロン酸分泌の促進と細胞遊走の亢進、さらには内膜形成の促進により、動脈管が閉鎖することを示した。
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