研究概要 |
1.ローカスワイド関連解析 (1)グルタミン酸トランスポーターEAAT3, EAAT1, EAAT4遺伝子(SLC1A1, SLC1A3、SLC1A6)について連鎖不平衡を考慮し選択したSNPを用いた関連解析を行った。その結果SLC1A6についてハプロタイプで関連を認めた。 (2)罹患同胞対解析による5q33.1領域の5.7Mbに存在する43個の遺伝子につき同様な解析を行い、日本人集団で、遺伝子型・アレル頻度で1遺伝子、ハプロタイプ頻度において1遺伝子、それぞれ疾患との有意な関連を認めていた。しかし、タイ人集団で再検を試みたところ、有意差は認められなかった。日本人特異的な疾患感受性遺伝子の可能性が考えられた. (3)PCP投与ラットの大脳の5部位から、マイクロアレイを用いて発現に変化を来す遺伝子を見出し(発現亢進71個、発現低下31個)、さらに定量的RT-PCR法により2.5倍以上の変化を来す12個の遺伝子を選択した。これらのうち5遺伝子について関連解析が終了し、1個の遺伝子に有意差が認められた。 2.ゲノムワイド関連解析 約3万個のマイクロサテライトマーカーを用いたゲノムワイド関連解析を行っている。プーリングサンプルによる1〜3次スクリーニングまで終了した。1次スクリーニングで情報が得られた28,082個マーカー中2,966個につき有意差が認められた。これらのマーカーについて2次サンプルを用いたスクリーニングを行い、2,894個のマーカー中1,0191個で有意差が見られた。次に3次サンプルを用いた解析で1,014個のマーカー中352個(34.7%)につき有意差を認めた。
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