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2006 年度 実績報告書

難培養性細菌トレポネーマを中心とした混合感染症のゲノム解析とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 18018033
研究機関宮崎大学

研究代表者

三澤 尚明  宮崎大学, 農学部, 助教授 (20229678)

研究分担者 末吉 益雄  宮崎大学, 農学部, 助教授 (10305063)
中山 恵介  宮崎大学, 医学部, 助手 (10347057)
キーワード趾乳頭腫症 / 混合感染症 / ゲノム / トレポネーマ / 病原細菌 / 獣医学 / 牛 / 蹄病
研究概要

全国各地のPDD罹患牛130頭から135の病変部をバイオプシーにより採取した。対照として、正常な乳牛15頭の蹄踵部皮膚を食肉処理場にて採取した。独自に考案した培地を用いて嫌気培養したところ、14サンプル(10.4%)からスピロヘータ様ラセン菌が分離された。
病変部位に存在する菌種とその構成を明らかにするため、PDD罹患乳牛4頭の病変部及び肉眼的に正常な蹄踵部皮膚2検体を採取し、抽出したDNAを鋳型として細菌の16S rRNA遺伝子を2組のユニバーサルプライマーによりそれぞれ増幅し、大腸菌ベクターにクローニングした。得られた形質転換体をランダムに96クローン選択し、決定した16S rRNAの塩基配列からホモロジー検索を実施した。その結果、PDD病変部より、22〜60%の検出率でトレポネーマ属菌が検出され、この他にはPorphyromomas属菌や未同定ではあるがバクテロイデスに近縁の嫌気性菌が優勢に検出された。同一PDD病変内には複数のトレポネーマ属菌が分布し、T.phagedenisやヒトの歯周病デンタルプラークから検出されるT. denticolaなどの口腔内トレポネーマと同一または近縁種が検出された。一方、正常皮膚からはPDD病変部内の構成菌種とは大きく異なっていた。以上の結果から、PDD病変内にはトレポネーマ属菌が最も優勢に存在しており、複数の比較的近縁関係にあるトレポネーマ属菌がPDD病変の形成に関与していることが示唆された。
PDD病変部からT.phagedenisと相同性の高いトレポネーマの分離培養に成功し、しかもその分離株はPDD病変に複数認められるトレポネーマの中でも優勢菌種であることから、分離株はPDD病変の形成に関与していることが強く示唆された。したがって、まず分離培養されたトレポネーマの全ゲノム解析を先行して実施することにした。分離株のゲノムサイズをPFGEにより推定したところ、3.3〜3.8Mbpで、菌株間で差が見られた。現在ゲノムサイズの最も大きかった菌株を選択し、全ゲノム解析を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Detection of a group II intron without open reading frame in the alpha toxin gene of Clostridium perfringens isolated from a broiler chicken2007

    • 著者名/発表者名
      Ma M, Ohtani K, Shimizu T, Misawa N
    • 雑誌名

      Journal of Bacteriology 189・5

      ページ: 1633-1640

  • [図書] 動物の感染症第2版(牛の趾乳頭腫症;分担執筆)2006

    • 著者名/発表者名
      三澤 尚明
    • 総ページ数
      342
    • 出版者
      近代出版

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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